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週刊 PC&周辺機器レビュー 第129回

小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証

2012年02月24日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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性能面も意外?にパワフル
コストパフォーマンスも高く優秀

 それでは気になる性能面を検証していこう。スペックはページ末尾にあるので、そちらを確認してほしい。まずはWindows 7のエクスペリエンスインデックスを確認してみる。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

 ストレージがHDDなので総合値は「5.9」で打ち止めだが、それ以外の項目は7.5~7.6と非常に高い。ちなみに搭載していたHDDは、シーゲイトの1TB HDD「SA31000524AS」(7200rpm、32MBキャッシュ、SATA 3Gbps)だった。特に高速というわけではないが、HDDとしては標準的な仕様である。

 総合性能の高さは、総合ベンチマークテスト「PCMark Vantage」「PCMark 7」でも裏付けられる。こちらもHDDが制約になるため、SSD搭載パソコンと総合値こそ見劣りするが、比較対象としたCore i7-940(2.93GHz)+GeForce GTX 580搭載パソコンと比較しても、全般的に高い性能を発揮している。さすがに最新世代の3GHz超CPUを搭載するだけのことはある。

PCMark Vantageのスコア比較

PCMark 7のスコア比較

 ペガシスのビデオ編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を用いた、エンコード時間のテストも実施してみた。AVCHD(1080p)の動画ファイル(約450MB)を、同解像度のWMV形式に変換する時間を計測している(フィルタリング未使用、エンコード設定はデフォルト値)。こちらの結果も優秀で、スペック通りの性能を発揮している。

TMPGEnc Video Mastering Works 5によるエンコードテスト(単位は分:秒)。短い方が高速

 ゲームで重要なグラフィックス性能はどうだろう。GeForce GTX 555とは聞かない名前だが、OEM専用に出荷されているGPUで、GeForce GTX 560などと同じ「GF114」世代に属する。NVIDIAのウェブサイトにある情報と、GPUの仕様を表示する「GPU-Z」を使って確認した仕様を見比べると、試用機に搭載されているGTX 555はフル性能よりも若干動作周波数を落としていたようだ。シェーダーの数やメモリーの種類・インターフェース幅は変わらない。

GPU-Zで表示したGTX 555の仕様

 テストをする前は、「ゲーミング用を謳うパソコンでGTX 560に劣るGPU性能では、実際のゲームには厳しいのではないか?」という懸念があった。3Dグラフィックスベンチマークテストの「3DMark 11」の結果を見ても、GTX 580の半分程度となっている(CPU性能が物を言うPhysicsはX51の方が速い)。例えば人気FPS「バトルフィールド 3」の場合、「フルHD解像度で表示品質『最高』にすると、GTX 580でも平均60fpsで表示するのは難しい」とも言われる。GTX 555で快適なゲームが楽しめるだろうか?

3DMark 11のスコア比較

 結果から言えば、この懸念は杞憂であった。下のグラフはバトルフィールド 3のキャンペーン「OPERATION SWORDBREAKER」のゲームシーン冒頭※1を使って、表示フレームレートの平均値を計測したものである。計測にはフレームレート表示ツール「Fraps」を使用した。家庭用ゲーム機並みの解像度1280×720ドットでは、「高」(High)設定なら60fps、「最高」(Ultra)設定でも39.8fpsと、十分快適に遊べる表示を実現できた。解像度を1680×1050ドット(接続していたディスプレーの最大解像度)まで上げると、最高設定では25fpsまで落ちて快適とは言えなくなるが、高設定では39fps程度に留まっているので、十分快適に遊べる。
※1 降車して操作可能になってから計測。

バトルフィールド 3のフレームレート計測結果

 バトルフィールド 3がこれくらい快適に動かせるのであれば、世にあるほとんどのPCゲームが快適に動作すると期待できる。ゲーミングPCを名乗るのに十分な性能を、Alienware X51は有していると言えるだろう。

 しかもAlienware X51は、価格も安い。最高性能のプラチナパッケージが10万4980円、最も安価なスタンダードであれば7万9980円から買える。充実した性能をコンパクトかつ個性的なボディーに収めたゲーミングPCが、この値段で買えるのはかなりお得である。

Alienware X51(プラチナパッケージ)の主な仕様
CPU Core i7-2600(3.40GHz)
メモリー 8GB
グラフィックス GeForce GTX 555
ストレージ HDD 1TB
インターフェース USB 3.0×2 USB 2.0×6、光デジタルオーディオ出力、同軸デジタルオーディオ出力、10/100/1000BASE-T LANなど
サイズ 幅95×奥行き318×高さ318.5~343mm
質量 約5.49kg
OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit版
価格 10万4980円

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