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仕事と生き方を変える、著名人の意見 ― 第20回

目的をもった「スクラップ&ビルド」が重要

新日本プロレス転売~蝶野、ユークスの経営を語る

2012年02月27日 09時00分更新

文● 蝶野正洋

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 ※この記事は蝶野正洋氏のメールマガジン「蝶野が語るプロレスマーケティング - ホワイトナイトという名の乗っ取り - 」(「ビジスパ」にて配信中)から選んだコンテンツを編集しお届けしています。

 1月31日、新日本プロレスの親会社が、株式会社ユークスから、カードゲームメーカーの株式会社ブシロードに変わることが発表された。ホワイトナイトことユークスの経営状態はどうだったのか。プロレスラーで現場責任者も務めた蝶野正洋氏が、プロレス界をビジネス面から見つめ、経営の課題を浮き彫りにする。

――ユークスが猪木さんから買い取った、新日本プロレス株過半数→筆頭株主を、ベンチャー企業のカードゲーム会社ブシロードグループパブリッシングに売却したニュースを聞きどう思いましたか?

蝶野:正直良かったと思ったね。売却、買収という話が出てくるということは、経営状況は親子共々、調子がいいわけではなかったということだからね。
 実際、新日本プロレスの経営状態がよくないという噂は続いている。でも親会社ユークスの負担にまではならないだろうという意見が業界内の見解だった。ユークスの判断材料は株価を見れば分かるから、かなり厳しくなっていることは普通分かる。
 多分、ユークスも株価の影響を考慮して、かなり痩せ我慢をしてきたんだろうな。6年間中で安心した経営期間はなかったし。買い取ってからやらなけりゃいけないことは、まず旧経営陣の整理に1年以上は要しているし、藤波(旧代表取締役&株主)さんをはじめ、多くの旧体制フロントから選手まで、内部整理に2~3年くらいかかっている。当然俺も含めてだけどね。
 3年目くらいからじゃないかな、ユークス・プロレスの経営が整ったのは。
 昨年くらいからは業績不振とか、いろんな噂話が一人歩きしてた。そういう噂を聞いて、新日本が下手打ったら、そのうちユークスは新日本を潰すんじゃないかとも考えていたからね。だから、次のところに引き渡しをしたということに対しては、ユークスは大人の対応をしたという印象だよね。だから良かったんじゃないかな。

構造計算なき解体で、耐久性は0に近い

――新オーナーのブシロードは資産があり、本腰を入れてテコ入れをする姿勢を見せているのは、業界にとっては明るい話題ですよね。

蝶野:まあ一般的な印象としてはそうだけど、ちょっと中身を解説してみると、新日本は建て直しもリフォームもされてない。さらに以前のいい部分や体質、人材も残っていない、まったく別物の会社になっている。料理長不在のレストランになっているよ。
 ユークスは何をしたかったんだろうか。リフォームはしてないし、やったのは解体!最後までプロレスで何がしたかったか分からなかった会社だった。

――ユークスは2005年11月に創業者の猪木さん所有の新日本株51.5%すべてを買い取ってオーナーになったわけですが、蝶野さんは2010年1月に新日本を離れるまでの約4年ほど一緒にビジネスをしていましたよね。

蝶野:最初から俺はソリがあわなかったな。プロレスに対する方向性、興行に対する方向性もまったく感じられない、いや無かったんだと思うよ。
 新日本を改善か再生するようなことはいつも言っていたが、何をしたいのか、何をするのか?毎回契約更新時に聞いても、返って来る答えがなく、俺が提案、提示するような状態だった。
 今回の転売までの会社状況を見ると、新日本は解体状態。天井、床、壁が引き剥がされたスケルトンみたいな感じかな。費用が掛かる水まわり関連の台所、風呂、トイレの場所は変わってないけど、トイレやバスの壁まで取り壊してる。5LDKだったのが、間取りの壁も壊されてワンルームになっているよ。
 それに構造計算もなく解体し続けたから、耐久性は限りなく0に近い。多分、こんな状態での引き渡しだから、買った方は大変だと思う。

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