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2011年CPUクーラー最強王者決定戦 第4回

2011年CPUクーラー最強王座はどの製品か?!

勝ったのはこれだ! 2011年CPUクーラー王座決定戦【最終回】

2012年02月09日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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全23製品性能比較(ファン騒音値)

アイドル時のファン騒音値(単位:dBA) ←Quiet

高負荷時のファン騒音値(単位:dBA) ←Quiet

2011年のCPUクーラーグランプリはどれだ!?

 今回のテストでは高負荷時に50℃以下になるものが、冷却能力に優れた製品と言えるだろう。これらであれば、4GHzを超えるようなオーバークロックでも排熱が追いつかないといった心配はないはずだ。この数値をクリアした製品は5製品あり、例年よりもやや少なめという印象。このあたりは、ターゲット層が競合するメンテナンスフリーの水冷CPUクーラーが流行したことが影響しているのかもしれない。

近年はメンテナンスフリーの水冷CPUクーラーが流行。その波はCPUメーカーにも押し寄せ、AMD「FX-8150」とIntel「Core i7-3960X」には、専用の水冷クーラーが用意されるほどになった

 今回のテストでトップに輝いたのは、「TRINITY2011」と「Contac30+」の2製品。TRINITY2011は130mm角の特殊ファンを使っているため、ファン交換の融通がきかないなど難点もあるが、高さが150mmに抑えられているためケースを選ばず設置できるというのはなかなか魅力的。小さめのケースを使っているユーザーにはありがたい仕様である。
 一方、Contac30+は120mmファンが使えるスタンダードなサイドフローということもあり、ファン交換やデュアルファン化など、工夫のしがいがあるというメリットがある。今回はこの2製品をグランプリとしたい。

今年はTHERMOLAB「TRINITY2011」とThermaltake「Contac30+」が、同時グランプリに輝いた

 静音ユーザー向けには「無双 ver.IV」を推挙しておこう。冷却能力はグランプリ製品クラスには届かないが、ファンノイズは高速回転時でも他製品のアイドル時並み。回転数を少し絞ればほとんど気にならないレベルだ。よく冷えても轟音では困るという人なら、満足のいく製品である。

冷却より静音を重視するユーザーにはオウルテックの「無双 ver.IV」がオススメ。高速回転時でも他製品のアイドル時並みの静かさだ

2011年を振り返る

 最後に今年のエントリー製品を振り返ってみると、8~9cmファンを搭載したミドルレンジの製品がかなり減っている。中型サイズのCPUクーラーが欲しい人は、過去の記事を参考にして現在流通している既存モデルからチョイスしてほしい。サブマシンや低消費電力マシン、ライトユーザー層向けとして中型の需要は多いはずなので、今年はこの分野でもトップフロー、サイドフローと幅広い製品が登場してほしいものだ。

CPUクーラーの主流は完全に12~14cmファンに移行した。ヒートシンクの大型化とファンの大口径化により冷却性能は向上したが、ミドルタワー以下のPCケースにはクーラーが収まらなくなってきている。そう考えると中型サイズを維持するリテールクーラーは意外と貴重な存在かもしれない

 そのほかには、設置にプッシュピンやクリップを用いた、手軽に固定できる製品をあまり見なくなった。CPUソケットの多様化によって対応が難しくなってきているのかもしれない。
 まもなくIntelの新CPU「Ivy Bridge」が市場に投入される。新プロセスルール投入ということもあり、オーバークロックユーザーの動きがさらに活性化するだろう。CPUクーラーの新製品登場にも期待が持てそうだ。

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