書籍や雑誌の閲覧については、取り立てて変わったところはない。左右への指のスライド、あるいは画面左右端近くでのタップでページ送りとなり、メニューボタンや画面中央付近のタップで、上下にメニューが表示される。
ページ移動はスライドバーを動かすもので、動作も軽快だ。しおりは読みかけのページにマーキングしておくもので、複数を設定できる。やや残念なのは、書籍の文字サイズ変更はメニューからの調整しかなく、ピンチイン/アウトでの拡大縮小ができない点。できれば今後のバージョンで対応してほしいところだ。
ディスプレーの画質はいまひとつとはいえ、カラー液晶ディスプレーである点は、例えばカラー挿絵のある書籍を読む際にも適する。例えば試用中に「『怖い絵』で人間を読む」という書籍を読んでいたのだが、これは挿絵として名画の写真がカラーで入っている。これをモノクロで見ても、本来の絵画から受ける印象はほとんど味わえない。バッテリー駆動時間では電子ペーパー型にはかなわないが、端末1台でコンテンツの種類を選ばずに楽しめるのは、大きな利点だろう。
汎用タブレットとしての機能は?
電子書籍端末であるBookPlaceだが、汎用タブレット的な機能も用意されている。WebKitベースのウェブブラウザ―やメーラー、カレンダー、Adobe Readerなどのアプリが標準で搭載されている。東芝ではBookPlaceのOSを「Linux系」としか説明していないが、調べてみるとOSはAndroid 2.3ベースのようだ。
ウェブブラウザ―の機能はAndroid標準のものとほぼ同等で、Flashコンテンツの再生に対応しない以外は、おおむね快適に使える。汎用タブレットほどはCPUが速くないようで(Freescale i.MX535 1GHzを搭載)、スクロール動作などが遅めではあるが、電子書籍端末のおまけと考えれば悪くない。テキスト主体のサイトを読む程度ならば、十分使えると言える。だが逆に言えば、本格的に汎用タブレットとして使おうとしても、BookPlaceはそれに適した端末ではない。BookPlaceストアを使える汎用タブレットが欲しいなら、REGZA Tabletを買う方がいいだろう。
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2万2000円前後という低価格に加えて、BookPlaceには5000円分の電子書籍購入に使えるポイントがついてくる。5000円分といえば、文庫や漫画なら5~10冊程度は買える。電子書籍を楽しむ敷居を下げる試みとして評価できる。
機能面では過不足なく、軽くて手軽な電子書籍端末が2万円ちょっとで買えるというのは、かなりお買い得である。購入した電子書籍をパソコンでも読める利点もある。「そろそろタブレットで電子書籍を試してみたいな……」という人などに向けた、電子書籍入門用の端末としてお手頃ではないだろうか。
BookPlace EB50の主な仕様 | |
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CPU | Freescale i.MX535(1GHz) |
メモリー | 1GB |
ディスプレー | 7型ワイド 600×1024ドット |
無線通信機能 | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1 |
インターフェース | micro USB、ヘッドホン出力 |
サイズ | 幅120×奥行き190×高さ11mm |
質量 | 約330g |
バッテリー駆動時間 | 約7.5時間 |
価格 | オープンプライス(予想実売価格 2万2000円前後) |
発売予定日 | 2月10日 |