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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第86回

仕様書より開発者の“勝手”信じた、KORG人気シリーズ第2弾

2012年02月04日 12時00分更新

文● 四本淑三

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KAOSSILATOR

 2007年に発売され、「ガジェット楽器」という新ジャンルを確立した「KAOSSILATOR」。タッチパッドをなぞるだけで本格的なシンセサウンドが楽しめ、スケールとキーを設定すれば、誰でも音を外さずメロディーや和音が弾ける。そして無限回の重ね録りができるループレコーダーを駆使すれば、複雑な演奏も可能になる。そんな敷居の低さと奥の深さから、発売後しばらく入手難が続くほど、低迷が続くシンセ市場にあって例外的な人気を博した。

 その後継となる「kaossilator 2」が、1月19日から22日まで米アナハイムで開催されたNAMMショーで、ついにお披露目された。初代のコンセプトをそのまま受け継ぎながら、縦長のスタイリッシュなデザインに生まれ変わり、それだけでも非常に魅力的。しかし当然ながら、機能面でも大幅なブラッシュアップが図られている。

kaossilator 2

 ループレコーダーは2台に増え、クロスフェードが可能に。また新たに内蔵マイクや外部入力端子が付き、内蔵シンセ以外のソースもループとして重ね録りできるようになった。さらにmicroSDカードに対応し、録音したオーディオデータを保存できるだけでなく、シンセアプリ「iKaossilator」のループなど、WAV形式のデータを読み込んで再生できる。さらに演奏全体を録音するレコーダーも内蔵した。

片手操作でループが作れる、手のひらサイズのポケットシンセ。内蔵マイク+マイク端子で音声素材もサンプリングできる

単3電池×2で動くので気軽に遊べる

 初代KAOSSILATORは、タッチパッドを使ったDJ向けエフェクター「KAOSS PAD mini-KP」の筐体を流用して開発されていたが、そのKAOSS PAD mini-KPも「mini Kaoss Pad 2」へと進化。kaossilator 2と同じ筐体を利用しているため、うっかりするとカラバリのようにみえるが、全く別の機能を持ったハンドヘルドエフェクターである。

mini Kaoss Pad 2

 mini Kaoss Pad 2は「Looper」「Vinyl Break」「Ducking Comp」などのDJ向けエフェクトを搭載する。キューポイント(頭出し)の指定が可能なオーディオプレイヤー機能を内蔵したのが新しい。microSDカードのMP3/WAVファイルを読み込んで再生することで、単体でDJプレイができるようになった。

 kaossilator 2と同様に、内蔵マイクと外部入力端子を持ち、内蔵オーディオプレイヤーと外部ソースのクロスフェードも可能に。ギターやシンセを接続してエフェクターとして使うのはもちろん、マイクに向かってしゃべった声がボコーダーを通してロボットボイスになるなど、DJに限らない遊び方ができるだろう。やはりkaossilator 2同様、パフォーマンス全体を録音する機能もある。

キュー(頭出し)もしっかりこなすDJ向けエフェクター。microSDカードにMP3など音源を入れてプレイする。内蔵音源とクロスフェードさせるのも楽しい

これもやはり単3電池×2で動く。なおこちらは内蔵マイク+ライン入力があり、自分の声にエフェクトをかけて遊べる

 どちらもメーカー希望小売価格は1万6800円と、初代のKAOSSILATORに比べ価格もおさえられている。発売は3月中旬の予定だが、もう試せる実機はあるというので、KORG本社を訪ね、開発スタッフの皆さんに新型のポイントについて伺ってきた。

■ KORG kaossilator 2×mini Kaoss Pad 2 開発チーム

  ① 坂巻 匡彦氏  ② 大田 祐樹氏  ③ 斉田 一樹氏

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