このページの本文へ

International CES 2012特集 第12回

Ivy Bridge対応マザーにノート用GPU箱まで MSIで目撃!

2012年01月14日 19時31分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 台湾MSI Computerは、International CES 2012のサブ会場であるVenetianホテルにて、新製品のマザーボードやThunderbolt対応製品などを展示していた。ここではその中から注目の新製品をピックアップしてお届けしよう。

ついに登場! Ivy Bridge対応Z77マザーボード

「Z77A-GD80」。Intel Z77チップセット搭載のIvy Bridge/Sandy Bridge対応ハイエンドマザーボード

 インテルの次期主力CPU「Ivy Bridge」に対応するマザーボードを、MSIも公開した。同社プライベートブースには、上位製品の「Z77A-GD80」と、その下位に位置する「Z77A-GD65」の2製品が展示されていた。

 どちらもIntel Z77チップセットを搭載して、Ivy Bridgeと既存のSandy Bridgeに対応する。CPUソケットはLGA1155。メモリースロットは4スロットで、DDR3-2667(オーバークロック時)を32GBまで搭載可能という。拡張スロットはPCI Express 3.0に対応するx16サイズのスロットが3本用意されている。拡張インターフェースとしては、USB 3.0を4ポートとSATA 6Gbpsを4ポート備える点も特徴である。ちなみに、Sandy BridgeとIvy Bridgeのどちらを使用しているかで、複数枚グラフィックスカード装着時のx16スロットの実際のレーン数は変化するという。

「Z77A-GD65」。同じくZ77チップセット搭載のマザーボード。Ivy Bridge対応にPCI Express 3.0+USB 3.0対応など、充実した仕様の製品

 似通った仕様の両製品だが、上位製品であるZ77A-GD80には、マザーボード上にThunderboltコントローラーチップが搭載されて、Thunderboltポートがひとつ装備される点が大きな違いとなっている。残念ながら展示されていた試作機には、肝心のコントローラーチップやポート部分が搭載されていなかったのだが、Ivy Bridge時代の高級マザーボードでは、Thunderbolt対応がひとつの訴求点となるのかもしれない。発売は2012年4月頃の予定とのことだ。

GD65のI/Oパネル部。USB 3.0の青いポートが2つ見える。映像出力はDVIとアナログRGBの2系統

GD80の基板上を拡大。写真中央のチップが装着されていないパターンの上に、製品ではThunderboltコントローラーチップが実装される。ポート自体は写真左上の青いアナログRGB出力の下に装備予定

ついに登場!Thunderbolt対応の
ノートパソコン用外付けGPUボックス

「GUS II」をMacBook Proに接続して、ゲームを動作させていたデモ機材

 ノートパソコンの欠点のひとつが、グラフィックス機能を交換して強化できないこと。その欠点を解消すべく、さまざまなソリューションが提案されては消えてきた。しかし、真に高速な外部機器用インターフェースであるThunderboltが登場したことで、この欠点は解消されていくかもしれない。

 そんな期待を抱かせるアイテムが、MSIの「GUS II」である。GUSとは「Graphics Upgrade Solution」の略で、その名のとおりグラフィックスカードを使えないパソコンでも、グラフィックス機能をアップグレードできるというものだ。ThunderboltポートにGUS IIを接続すれば、GUS II内に搭載されたグラフィックス機能を使って、画面を表示できるようになる。

GUS IIの前面。スリットは飾りではなく、吸気口を兼ねているようだ

GUS IIの背面。映像出力が3ポートも用意されており、単体でマルチディスプレー出力が可能

 GUS II自体はPCI Express x16のスロットを内部に持っているようだ。Thunderboltの通信速度は片方向10Gbpsなので、PCI Express 2.0のx2強程度しかないが、最高でも5GbpsのUSB 3.0と比べればはるかに高速だ。

 ユニット背面を見ると、一般的なデスクトップパソコンの拡張スロット2スロット分の幅があるので、2スロット仕様のグラフィックスカードに相当する機能を搭載できそうだ。デモ機の横にあったパネルには、150Wまでの独立グラフィックスカードに対応と書かれている。ただデモ機では、ユーザーによる搭載グラフィックス機能の交換はできないように見えた。映像出力はDisplayPort、HDMI、DVIの3種類が並ぶ。一方、Thunderboltポートはひとつしかなく、GUS IIの先にディジーチェーンで機器をつなぐことはできない。

 現時点ではMacBook以外にThunderboltを標準搭載したノートパソコンはないが(VAIO Zは独自の光インターフェース)、CES 2012ではUltrabookにThunderboltを搭載した展示機もあったので、年内にはWindowsマシンでも登場するだろう。GUS IIの発売時期は5月頃の予定で、価格は249ドル(1万9200円弱)程度の見込み。今後の製品展開に大いに期待したい周辺機器と言えよう。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン