Music Surfだけで世の中変わったりしない
―― でもレコード会社はもうアウトだと思いますが、これからどうなると思います?
早川 新しい音源を創りだす組織がどうなっていくかということですよね? それはレコード会社と呼ばれないものが、レコード会社的なA&R※機能を担うんじゃないかなと思います。レコード会社が滅びるって皆暗い顔をするんだけど、なんで暗い顔をしなきゃいけないのか。既得権益からはじき出されて裸になった人間の中から、才能のある人は出てきますからね。一回死に物狂いにならないと。ミュージシャンはもっと早くから死に物狂いになっているから、色々やるわけで。
―― ぜんぜん死に物狂いになっているように見えないんですけど。
早川 いえいえ、僕もいろいろ大変ですから。そもそもチャレンジングな命題だと思っているので、音楽に関わること自体が。個々に合わせてマネタイズを考えていかないと。アーティスト全員が知恵比べだねえ、という感じはしています。
※ A&R : Artist and Repertoireの略。アーティストの発掘から作品の企画宣伝までを担当する人。
―― Music Surfもプロが関わっているとはいえ、スポンサーが付いているわけではないですよね?
早川 正直言って何もありません。いまは自分が楽しい物をとりあえず作ってみるという段階ですね。事業として考えると、ここからライブへの導線を作っていって、初めてマネタイズは発生するかなと思うんですね。いまアーティストが何をしてほしいかと言ったら、ライブに来てもらうことで、そこにつながるといいかなと。ただ日本のライブハウスの現状を見ると、これはこれでひどい。これもライブハウスがキュレーションを放棄しているからで、いいバンドじゃない場合が多い。
―― それに日本は高いし。仕事帰りに一杯飲んで、という気軽な感じがまったく無いですもんね。
早川 僕も海外に行けば、結構行くんですよね。1000円くらいだし、友達と一杯飲んで音楽が聴けたらいいじゃんって。今日仕事終わって暇だからって映画に行く人はいても、ライブハウスに行くって人はまずいない。それを改善していかなければならない。ちょっとこれとは別のものなんですが、そのプロジェクトも始めていて。
―― あれっ、いろいろやってますねえ。
早川 やってます。何かしていかないと。Music Surf1個で世の中変わったりしないですから。
―― クールだなあ。
早川 ライブハウスも、いいバンドしか出さなければいい訳ですよ。経営があるからヘボいバンドでもお金もらえば出しちゃう。それがお客さんが来ないことにつながっている。クラブのほうが経営が成り立っている場合が多いんですよ。ヘボい曲がかかっているクラブってまずないから。決まったハコに行けば必ず盛り上がっている。それはクオリティーが維持されているからですよね。
―― できれば帰りにふらっと寄れるライブハウスがあるような国に住みたいですよ、僕も。
早川 それにはソーシャルが役に立つと思うんです。一人じゃライブは行かないものだけど、2~3人なら行くか、みたいなことはある。それを上手に作っていけたらいいなと。そのためのアイデアに向けていろいろ進めています。スポンサーも募集しております。どこにでも説明に参りますのでよろしくお願いします!
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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