柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第96回

年末にPCやネットの周りを大掃除する技

迷惑メールを掃除する

　長く使っているメールアドレスには、うんざりするほど迷惑メールやダイレクトメールが送られてくる。ほとんどがメールソフトやGmailの迷惑メール除去機能で振り分けられるものの、スルーされて受信トレイに入る迷惑メールも多い。その削除よりも面倒なのが、迷惑メールの中に通常のメールがまぎれこんでいないかどうかチェックすることだ。そのため、年末にはダイレクトメールを解除したり、迷惑メールを削除しがてら、精度の高い分析ができるように学習させるようにしている。スルーして届いた迷惑メールを登録し、迷惑メールボックスの中に混じった普通のメールを対象から外すのだ。わずか1週間分のメールでも、相当効果があるのでオススメ。

ダイレクトメールの送信を止める（画面は楽天）

迷惑メールに混じっている通常のメールにチェックし、「迷惑メールを解除」をクリックする

　アドレス帳も見直すことをオススメする。今時はどんなアドレス帳サービス・機能でも検索できるので、一覧性の問題ではない。万が一に備えてのためだ。SNSや住所録管理ソフトで、アドレス帳全員に招待メールやアドレス変更の通知を送ることがある。必ず確認画面が開くが、海外のサービスなどでよくメッセージを読まずにOKを押してしまうことがある。筆者の所にもそのようなメールがたびたび届くが、友人からなら時間があれば連絡してあげるし、忙しければ無視すればいいだけだ。

　問題は絶対に連絡したくない相手に送られてしまうトラブルだ。そんな相手はいないだろうか？　別れたばかりの恋人、大げんかした元友人、トラブルで退社した前の会社の上司などがまだアドレス帳に残っている人もいるのではないだろうか。こちらから連絡することがないなら、削除しておく方が賢明だ。誤ってメールを送ってしまったあと、こちらが謝りたがっているのだろうか？　と思われていると考えると、胃に穴が開いてしまう。

　万一に備えて情報は残しておきたい、というならアドレスなどの情報にダミーの文字を入れたり、アドレスは削除したうえ、メモ欄に書き込んでおけばいい。

アドレス帳を見直し、絶対にこちらから連絡したくない相手は削除もしくは備考欄に情報を移動しておく

ブックマークや重複ファイルを掃除する

　気に入ったウェブサイトを登録したブックマークも、1年に1度はリンク切れチェックをしよう。フリーソフトの「DLC」（WIND-MASTER氏作）がオススメ。IEのブックマークをまとめてチェックしてくれる。リンク切れしているショートカットを隠し属性にして、IEに表示させないようにできるのがユニーク。本当に不要なら削除も可能。あまり古いサイトは登録していない筆者の環境でも10個以上のリンク切れが起きていた。

「DLC」でリンク切れをチェック

　Firefoxなら「CheckPlaces」、Chromeなら「Bookmark Sentry」という拡張機能を利用しよう。

Firefox＋「CheckPlaces」なら、アドオンの設定画面から「Check」をクリックして実行する

Chromeの設定画面で「Bookmark Sentry」の「Options」をクリックし、スキャンする

　不要なアプリケーションもまとめてアンインストールしよう。試しに入れて使わなくなったフリーソフトや使用期限が切れたシェアウェア、すでに廃棄したハードウェアのドライバーソフトなどを削除すれば、ストレージの無駄を減らせるし、Windowsの起動時間やレスポンスが改善されることも多い。

コントロールパネルのプログラムと機能から不要なソフトをアンインストールする

クラウドサービスの中を大掃除

　クラウドサービスに保存してあるファイルをチェックしてみよう。一番ゴミが溜まりやすいのが「Dropbox」や「SkyDrive」だ。共有する必要がなくなったファイルは削除もしくはPCの別フォルダーに移動する。特に誰でもアクセスできるパブリックフォルダをチェックすること。写真をアップロードする「Flickr」や、情報を溜める「Evernote」はストックすることが目的なので、無理に削除する必要はない。しかし、無造作にデータを保存しただけだと再利用性が低い。この機に、データにタグを付けたり、ノートブックに分類しておこう。

Dropbox内の不要なデータをまとめて削除

ごちゃごちゃになったデータにタグを付けて整理する

　パスワードをオンラインで管理するウェブサービスを使っているなら、中身をチェック。不要ならサービスを退会しよう。続行する場合は、いいチャンスなので、パスワードを付け直しておこう。

スマートフォンのアプリもばっさり削除

　Androidスマートフォンは常駐系アプリをたくさんインストールすると動作がもっさりしてくる。不要なアプリはどんどん削除しよう。iPhoneならあまりそんなことはないが、無駄にあってもアプリを探す手間がかかるだけなのでやはり大掃除しておこう。有料アプリを削除してしまい、あとで必要になっても大丈夫。無料で再ダウンロードが可能だ。

追加しまくった無料アプリを整理する

　写真のタグ付けを除けば、全部作業したとしても、1～2時間で済む。来年の作業効率が大きく向上するし、セキュリティも高まるので、ぜひチャレンジしていただきたい。

1年お疲れ様でした
ダイエットは来年に持ち越し……

　2011年も本連載をご愛読いただきありがとうございます。筆者は、忘年会ラッシュによりリバウンドしたため、正月明けからダイエットを開始します。正月後というのがダレまくりですね。頑張ります。よいお年をお迎えください。

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」（翔泳社）「Twitter Perfect GuideBook」（ソーテック社）、「Dropbox WORKING」（翔泳社）、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。