2011年、ニコニコ動画は去年につづき“飛躍”の年だった。台湾でライブイベント「ニコニコ大会議」を成功させ、六本木に180度フルLEDのライブハウス「ニコファーレ」を立ち上げたりと、1年を通じて目が離せなかった。この特集では、今年ニコニコ動画に投稿された中から、絶対にチェックしておきたい動画50本を、今日から3日間に渡って紹介していく。
初日のテーマは、歌声合成ソフト「VOCALOID」&「UTAU」! 最新版「VOCALOID 3」が発売されたり、ロサンゼルスで初音ミクのライブ「MIKUNOPOLIS」が開催されたりと、合成音声が盛り上がった2011年。果たしてどんな名曲が生まれたのか、VOCALOID好きにはおなじみのネットラジオ「VOCALOID聴き専ラジオ」メンバーの選んだ20曲をどうぞ!
十面相 colorful ver. - YM
YM自信の人気ナンバー「十面相」に、VOCALOID 3版「Megpoid」(メグッポイド)4つのライブラリー「Power」「Sweet」「Adult」「Whisper」すべてを用いたセルフカバー。4つの声色がどう使い分けられているかは動画の四隅に表示。それぞれの声質の違いをじっくり検証し、堪能できる。新Megpoid発売当日に発表された、いわばベンチマーク的な一曲。原曲と比べてみるのもまた楽しい。(参考:ニコニコ大百科)
Alice in Musiclan ‐ OSTER project
「不思議の国のアリス」を下敷きに、VOCALOIDがミュージカルの立役者となって歌う「VOCALOIDミュージカル」。ミュージカル独特の高らかな歌声を再現するという高難度な技術が要求されるため、ジャンル全体の投稿数も少なかった。曲は初音ミク発売当初から多様な作品を発表してきたOSTER project。その調教技術※が惜しげもなく活かされたこの曲は、これまでのVOCALOIDミュージカルの枠をひとつ超えるものと言えるだろう。(参考:ニコニコ大百科)
※ 調教 : VOCALOIDソフトのパラメーターを調整し、人間の声に近づけること。ポルタメント(子音から子音に移るときの音声)などを丁寧に駆使していく職人的な技術が求められる
FREELY TOMORROW - Mitchie M
「調教すげぇ」のサブタイトルで話題になった1曲。調教系のボカロ曲に付く「魂実装済み」タグの中でも最高峰と言える。人間っぽく歌わせることを良しとするか、VOCALOID特有の機械っぽい味を良しとするか、リスナーの意識に問いかけることになった。「初音ミクsingsニューウェイヴ」では8 1/2「シティー・ボーイ」をカバーしている。さらに発展した調教技術を堪能したい人はぜひ聞いて「すげぇ」と言ってみよう。
マッシュルームマザー - ピノキオP
いわゆる“中毒系”サウンド。「やーい やーい マッシュルーム お前の母ちゃんマッシュルームマザー」という、軽快なテンポと耳に残る歌詞が耳に残る。わけが分からないながら、どこか深い意味を含んでいそうな歌詞を聞いているうちに、いつしか曲の中毒になっている自分に気づくはず。
僕をそんな目で見ないで - きくお
「VOCALOID幻想狂気曲リンク」というタグがつくことの多い“きくお”の1曲。3拍子・ワルツ調のメルヘンチックな楽曲であるが、そこに混ざってくる不協和音と変拍子が狂気と不気味さを際立たせる。歌詞は、死んでしまった「僕」が、残してしまった「まま」と「ぱぱ」に向けて語りかける形の物語。物語世界の解釈を考えつつ、曲の世界に身を委ねるのが不思議に心地いい。(参考:ニコニコ大百科)
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