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シャープがテレビのスタイルを自由にする!!

フリースタイルAQUOS開発者に聞く、これからのテレビの進化

2011年12月26日 11時00分更新

文● 鳥居一豊 撮影●小林 伸

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フリースタイルAQUOSが提案する次世代のテレビスタイル

 ここからは、これからのフリースタイルAQUOSの展開についてさらに突っ込んだ話を聞いてみた。まず期待したいのは、ディスプレー部はもっと薄型・軽量化が可能なのかということ。ポスターを貼るような感覚になってしまえば、壁掛け設置はもっと容易になると思うのだが……。

小笠原 「テレビの薄型・軽量化は今後も進めていきたいと思っています。しかし、紙のように薄くなるかというと、少し違うと思います。まず、信頼性や強度の点が心配になりますから、そこでのバランスを取る必要はあります」

 確かに、薄いが壊れやすいというのはナンセンスだ。そして、薄型化による音質への影響も無視できない。薄型テレビで音質が不利といわれがちなのは、テレビ自体の薄型化が進んでいることも大きな原因の1つ。こうした点にも配慮し、テレビの画質・音質を犠牲にしないことも重要になるだろう。

フリースタイルAQUOSは通常の壁掛け以外にも豊富な設置オプションを持つ

 壁掛けの大きなメリットには、インテリア性だけでなく、部屋を広く使えるというものもある。ユーザーアンケートでも、壁掛けにすることで奥行きのあるラックなどが不要になり、部屋が広くなったという声が多いという。

 住宅事情の厳しい大都市圏では、このメリットは大きいだろう。そして省スペースということは、より大きな画面サイズが選べるということでもある。筆者は6畳間に50V型のテレビを置き、5.1chのサラウンドシステムまで押し込んでいるが、テレビを設置した側の壁にはまだまだ余裕がある。

 ハイビジョン時代の薄型テレビの最適視聴距離は画面の高さの3倍と言われるが、この場合、画面は約30度ほどの角度で目の前に広がる。鑑賞という観点で言うとこれは少々狭い。映画館などの場合は約45度ほどの広がりがあり、それだけ視野を画面が占める割合も多くなる。実はこの広がりが臨場感を生むのだ。

 そう考えると、じつは6畳間でも80インチ程度の大画面が正解となる。プロジェクター導入を検討したこともあるが、設置スペースや投射距離の問題で断念していた。そんな筆者としては、壁掛けが容易なフリースタイルAQUOSにこそ、70V型や80V型の登場を期待したい。

 壁掛けならば置き場所を心配せずに6畳間で80インチを実現できるのだ。これは大げさな話だとしても、壁掛け設置が手軽なフリースタイルAQUOSなら、今までは無理だった大画面を手に入れられるというメリットはかなり魅力的だと思う。

 気になる人は、メジャーなどで横幅138.2cm、高さ82.4cmのスペースが壁に空いているか確認してみよう。これは、60V型のLC-60F5のディスプレー部のサイズ。そのスペースが空いているということは、単純に言えばその部屋に60V型が入るということだ。

壁掛けならば6畳間でも80インチを実現できる。フリースタイルAQUOSのさらなる大画面化に期待だ!

次世代のテレビ視聴スタイルをカタチにしたAQUOS

 また、ワイヤレス伝送による利便性の向上について聞いてみた。スマートフォンとの連携は各社で進んでいるが、最新の高機能なスマホならば番組持ち出しもハイビジョン画質を実現してほしいし、非接触電力伝送などが薄型テレビでも使えればディスプレー部の完全ワイヤレス化も夢物語ではなくなる。

 このあたりについては、シャープとしても検討はしているが、業界全体で決めていくものでもあるので、なかなかすぐに実現できるものではなさそうだ。

 ただし、BDソフトなどのワイヤレス再生については準備を進めているとのこと。現在はディスプレー部とレコーダーをHDMIケーブルで直接接続する必要があるため、筆者としてもぜひほしい機能の1つ。期待したいところだ。

 フリースタイルAQUOSには、既存の視聴スタイルを変化させるだけでなく、これからのインターネットサービスやAVの楽しみ方まで大きく進化させる可能性を感じた。何かと物入りの年末年始、家電量販店などに出向く機会も多いと思うが、その際はぜひ次世代のテレビ視聴スタイルをカタチにしたフリースタイルAQUOSをその目で確かめてほしい。

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