塊魂が音楽を全面に押し出した理由
―― ところで僕は今まで「塊魂」を知らなかったんですが、そういう人も世界にまだ60人くらいはいると思います。これはどういうゲームなんですか?
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BEST OF WORST(初回限定盤) |
井上 今回参加していただいた百々和宏さん※も「塊魂」をやったことがなくて、タイトルの文字だけを見て、凄いおどろおどろしいゲームかと思ったとおっしゃっていました。血が流れるような。
※ スリーピースバンド MO'SOME TONEBENDERのギター・ボーカル。
―― でも何が出てくるか分からないと言うか、ヴィレッジヴァンガードで音楽や変なものを物色しているような、妙な感じのゲームですよね。
SEXY あーっ、それは言えるかも。
井上 企画されたのは高橋慶太さん※という方で、もともとビジュアルでうちの会社に入った人だったんです。机の上を玉を転がしたら色々くっついて面白いんじゃないか、というところから始まり、それを出してみたらご好評いただいたと。そういうようなゲームです。
※ 「塊魂」「のびのびBOY」で知られるゲームデサイナー。2010年にバンダイナムコゲームスを退社。現在は新会社uvulaを設立し音楽やゲーム、そしてなんと公園のデザインも手がけているという。
―― それで企画が通ったのがすごいと思いますけど、面白さを説明するのが難しいゲームですよね。音楽に合わせて転がすだけというものですが、確実に楽しいという。
井上 世界観も含めて不思議なゲームですよね。その世界観をずっと継承しています。
―― 最初から音楽が全面に出てくるゲームだったんですか?
井上 ワンステージが長いんですよね。5分から10分くらいになるステージもあります。それで退屈しないようにということで、当時のサウンドディレクターの三宅優※が考えまして、当時としては画期的だったと思うんですけど、歌モノを入れてみようと。クリスタルキングの田中さんだったり、松崎しげるさんだったり、そういう方にお願いして。曲は弊社のサウンドチームが書いたんですけど、サウンドトラックもご好評いただいて。
※ 鉄拳シリーズやリッジレーサーのサウンドディレクションを担当。2011年にバンダイナムコゲームスを退社。今回の塊魂ではアーティストとして音楽を担当している。
―― 曲の発注は1曲丸ごとという感じですか?
井上 はい。従来からあるシリーズものですので、塊魂のイメージに沿ってということで。SEXYさんにお願いしたのは「愛のカタマリー」という初代のエンディングの曲なんですが、それをゲーム中にも使えるアップテンポな感じに、ということを伝えました。
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