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通信事業者のトラフィック解析とポリシー制御を実現

通信事業者のモバイルやビデオ対応を支援するプロセラのIPE

2011年12月09日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月8日、プロセラネットワークスは日本法人の設立と製品戦略を説明する発表会を開催した。プロセラはトラフィック解析やポリシーによる制御を提供するベンダーで、モバイルやビデオ対応に難渋する通信事業者向けに提供する。

大きく変わる通信事業者のサービスモデル

 発表会において米プロセラネットワークス(以下、プロセラ)のCEOであるジェームス・ブレア氏が会社概要について説明した。プロセラは2002年にカリフォルニアに設立されたITベンダーで、IPE(Intelligent Policy Enforcement)というソリューションを提供しており、DPI(Deep Packet Inspection)と呼ばれるトラフィック解析をベースに可視化やポリシーに従った制御、不要なトラフィックの遮断を行なう。製品はおもに通信事業者に提供しており、グローバルでは3年間でモバイル・固定あわせて18のティア1プロバイダーを獲得するに至っているという。

米プロセラネットワークス CEO ジェームス・ブレア氏

 こうしたIPEという製品が求められている背景として、ブレア氏はIPトラフィックの増大、モバイルデバイスの普及、そして革新的なサービス開発の必要性などを挙げた。同氏は、膨大なユーザーがさまざまなデバイスを使い、数多くのアプリケーションを利用する通信事業者のネットワークは「混雑した複雑な状態」であると指摘。通信サービスの課金モデルに関しても、「従来は定額で使い放題だったが、最近は従量制になってきている。今後は、ユーザーごとに階層化されたプランを提供する必要性が出てくる」と説明した。

定額制から従量制へ。そしてユーザーの用途に合わせてチャージ

 こうした中、顧客のトラフィックをコントロールしつつ、不正な攻撃や通信を遮断し、サービスの階層化を実現するという。製品名は「PacketLogic」で、可視化や加入者管理を提供するアプライアンス形態で提供される。

 同種のアプリケーションは、通信事業者向けの機器を提供するシスコやアルカテルルーセント、ノキアシーメンスなどのほか、サンドバイン(sandvine)やアロット(Allot)などの専業ベンダーも提供しているが、「トラフィックの解析や可視化をリアルタイム(5秒単位)で行なえるのが、他社に比べた差別化ポイントになる」(ブレア氏)と述べた。

プロセラネットワークス合同会社 カントリマネージャー 仁枝かおり氏

 続いてプロセラネットワークス合同会社のカントリマネージャーの仁枝かおり氏は、国内での通信事業者の現状を説明。想定外トラフィックが増加しているのに関わらず、ARPU(Average Revenue Per User)が横ばいという状態や、ポルノ対策など法改正により追加インフラが必要になること、大容量コンテンツのただ乗りが多いことなどを挙げた。加えて、今後は定額料金から従量課金への移行やIPv6への移行などが検討されると見ており、こうした通信事業者を支援するためのトラフィック解析や可視化を提供する。

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