シャープが北米市場における大型液晶テレビの取り組みについて発表した。60V型以上の液晶テレビでトップシェアを誇る同社だが、特にアメリカにおいてその勢いは当分止まることはなさそうだ。
常務執行役員米州本部長兼Sharp Electronics Corporation会長兼社長の高橋興三氏によると、60V型以上の液晶テレビの同社シェアは2010年末では台数ベースで40%程度だったが、直近(2011年11月末)では77.8%になっているという。
アメリカというと分厚いリアプロジェクションテレビ、というイメージが強いが、その勢いは2007年から極端に落ち込んでいる。その代わりに伸長してきたのが大画面の液晶テレビとプラズマテレビ。ただしプラズマテレビはあまり伸長はみられず、「実売を見ると、ここ2~3ヵ月のプラズマテレビの落ち込みが速い」という。
一方で60V型以上の液晶テレビは毎年伸長を続けており、2011年度は台数ベースで前年比263%の伸長が見込めるという。さらに、4月から6月までのデータを見ると、液晶テレビ全体で下降傾向にある中で、60V型以上のテレビだけが2倍以上の伸長を続けている。
なお、同社は2011年は60V型以上の大画面モデルを18モデル投入。70V型を投入した4月期以降と80V型を投入した9月以降で売り上げ台数が大きく伸びている。さらに大型テレビを投入したことで取り扱い店舗も順調に増えており、2012年4月には2010年末と比較して約3.6倍になる見込みとのことだ。
同社は2011年度の北米における60V型以上の台数目標を100万台としてきたが、これはアメリカだけで達成できる見込みとのこと。高橋氏は「この半年を振り返って、ここまで来るとは思っていなかった」と語り「2012年度はさらに伸びていってくれそう」との見解も示した。
このように台数ベースでは大躍進を遂げているが、金額ベースでみるとそれほどの伸長は見られない。例えばブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)のセールでは販売台数は大きく伸びるが、金額は若干下がり気味になっている。
この理由はテレビ自体の価格の下落にある。「(ブラックフライデーでは)モノが格安で買える」というイメージが定着しているため、この傾向が顕著に現われたようだ。