ファンレス動作時の発熱をチェック!
次に期待のファンレス動作について確認してみよう。今回使用したPCケースのacubic CP315は、フロント部分に口径12cm、回転数1000rpmの静音ファンを1基搭載している。普段の使用で音が気になることはないものの、耳を澄ませばやはりファンの音が耳に入り、完全無音というわけにはいかない。
そこで今回は、空冷ファンを動作した状態と完全に停止した無音状態で、温度計測ツール「OCCT 4.0.0」の「POWER SUPPLY」テストを30分実施して、CPUの発熱状況を比較してみた。
ファン停止した際の温度を見てみると、アイドル時でも54度と、ファン回転時と比べて約20度上がっている。さらにOCCTを実行するとゆっくりと温度が上がっていき、今回のテストでは最大77度まで上昇した。E-450は90度までなら動作可能ということで、まだ余裕はあるものの、CPU/GPUに同時に高い負荷がかかる環境ではファンを回しておいたほうが安心のようだ。
ただし、OCCT 4.0.0のPOWER SUPPLYテストのような、CPU/GPUへ同時に高負荷がかかる状況はそれほど多くなく、一般的な用途であれば十分ファンレス動作も可能だろう。実際、それ以外のベンチマークテスト中に、70度を超えることはなかったことを追記しておく。
E-450静音PCの消費電力は?
それでは、最後に消費電力について確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い数値、各種ベンチマークは実行時に最も高い数値を取得している。
まずアイドル時の消費電力は、22.5Wと非常に低く抑えられている。ここまでアイドル時の消費電力が低いなら、ファイルサーバーやメディアサーバーのような常時起動PCに利用するのもいいだろう。高負荷時の消費電力を確認すると、最も消費電力が大きかったOCCT 4.0.0のテスト中でも、44.8Wと優秀な数値だ。省電力のE-450に加えて、SSDやACアダプターを使った効果が、しっかりと現れた結果と言えるだろう。
完全無音動作も可能なPCが
約8万円で完成!
APU/マザーボード | E45M1-I DELUXE | 約1万8000円 |
---|---|---|
メモリー | AD3U1333C4G9-2(4GB×2) | 約2700円 |
SSD | AS510S3-120GM-C(120GB) | 約1万2500円 |
PCケース | acubic CP315 | 約2万6000円 |
電源 | AC130-AP02AA | 約1万円 |
光学ドライブ | BR-H1016FBS | 約1万円 |
合計金額 | 約7万9200円 |
AMDオンリー自作特集の最終回では、AMD Eシリーズを使った省電力PC構成を紹介してきた。今回紹介したパーツを使えば、完全無音の動作も可能なPCが、8万円程度で完成するわけだ。
これまで省電力プラットフォームといえば、「非力」というイメージが強かった。しかしAMD Eシリーズは、このクラスではパワフルな内蔵GPUによって、軽いゲームならプレイ可能な実力を備えている。さらに、動画再生支援機能も搭載しているため、BD再生などにも力を発揮することだろう。
最近ではMini-ITXケースも種類が増えて、小型静音マシンを組むハードルはぐっと下がってきている。さらに、今回使用したacubic CP315のようなスタイリッシュな製品も多い。お気に入りのデザインのケースを使って、リビングPCを組んでみてはいかがだろうか。ワイヤレスキーボードや地デジチューナーと組み合わせれば、さらに活用の幅も広がることだろう。
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