オールAMDプラットフォームで組む自作PC特集の締めくくりとなる3回目では、AMDのデスクトップ向けプロセッサーの最後の1ピースである、省電力APU「AMD E」シリーズを使った静音自作PCを作ってみよう。
AMD初のGPU統合型省電力プロセッサー
AMD Eシリーズ
AMDとしては初となる、CPU/GPU統合プロセッサーとして登場したAMD Eシリーズ。これまではインテルの「Atom」シリーズの独壇場だった省電力向けのレンジに、満を持して投入された製品だ。同時に「AMD C」シリーズも発表されているが、こちらはネットブック向け製品ということか、自作市場に出回ることはほとんどない。
CPUコアは省電力向けに新規設計された「Bobcat」を採用、それをシングルコアかデュアルコアで搭載する。また、GPUコアとして統合されているのは「Radeon HD 5430」をベースにした「Radeon HD 63x0」だ。こちらは80基のシェーダープロセッサーを搭載して、DirectX 11対応、UVD3の動画再生支援機能を搭載するなど、省電力向けプラットフォームとしては、かなりパワフルな構成だ。
これだけの機能を搭載しつつ、AMD EシリーズのTDPは18Wと低く抑えられており、省電力かつ性能もそれなりに欲しいというニーズにはぴったりの製品となっている。なお、AMD Eシリーズはマザーボード上に搭載された状態での販売が基本で、CPU単体では販売されていない。
AMD Eシリーズのラインナップ
E-450 | E-350 | E-240 | |
---|---|---|---|
コア数 | 2 | 1 | |
動作周波数 | 1.65GHz | 1.6GHz | 1.5GHz |
2次キャッシュ | 1MB | 512KB | |
内蔵GPU | Radeon HD 6320 | Radeon HD 6310 | |
GPU動作周波数 | 508MHz/最大600MHz | 492MHz | 500MHz |
対応メモリー | DDR3-1333 | DDR3-1066 | |
TDP | 18W |
今回は省電力向けのAMD Eシリーズを使用するということで、リビングでも使えるおしゃれな静音PCをコンセプトに、パーツを選択している。さらに、可能であれば完全ファンレスにして、無音PCでの動作も実現してみたい。なお、今回は特に予算総額に制限はつけていない。
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