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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第79回

KORGは「けいおん!」を本気で愛していた

2011年12月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

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じつえん!

―― それで楽器としての話ですけど、第三弾はどんなモディファイを施しているんですか?

佐野 まず、あずにゃんの基本モデルは、第一弾と第二弾は"Classic Rock"だったんです。それを"Night Train"に変えました。これは2パターンのアンプモデルを積んでいます。それを"むったん"(フェンダー・ムスタング)に合わせたということですね。

―― それは大きな変更ですね。

佐野 唯ちゃんの基本モデルは"Lead"で、ディレイもかかるタイプなんですけど、もう少しゲインが上がるように変更しました。"ギー太"(ギブソン・レスポールスタンダード)の特性に合わせてあります。澪ちゃんのは、歪ませる時は心地よく歪むし、コンプが掛かる時は掛かる。"エリザベス"(フェンダー・ジャズベース)に合わせて定数も変えています。

中野梓モデルはamPlug "Night Train"をチューニング。同名のVOX製真空管ヘッドアンプをシミュレートしたもので、本物と同様に高域を強調したBRIGHTと、ハイゲインなTHICKの2モードを切り替えられる。

平沢唯モデルはamPlug "Lead"をチューニング。某社製のハイゲインアンプをシミュレートしたもので、モードの切り替えで、リードに最適なデジタルディレイもかかる。

秋山澪モデルはamPlug"Bass"をチューニング。VOXのベースアンプAC100をシミュレートして、さらにワイドレンジ化したもの。コンプレッサー・ブーストエフェクトを内蔵。

あずにゃんモデルの元になった、amPlug“Night Train”(右側)

―― それぞれのモデルはどこら辺をターゲットにチューニングしたんですか?

佐野 それは、この部屋の外でスタンバっている二人がいるので、実際の音を聴いてもらえれば。

―― ?????

(ここでamPlug第三弾の平沢唯モデルを装着したレスポールと、秋山澪モデルを装着したジャズベースを持ったお二方が登場)

チューニングをはじめるベースの三尾 彰寛さん(左)、ギターの李 剛浩さん(右)

―― おっと、ここでデモ演奏が始まるんですか?

坂根 amPlugはヘッドホンにこだわって作ったものなんですけど、ヘッドホンだと音をシェアできないので、今回はフラットな特性のアンプにつないでみます。

―― それは素晴らしい。ではよろしくお願いします!(読者の皆様は動画でお楽しみください)

▲amPlugのヘッドホン出力をKORGのモバイル・モニター・アンプMMA130に接続し、iPodに入ったドラムパートを再生しながらの演奏。

―― パチパチパチ。いやー、素晴らしい演奏でした。

坂根 一夜漬けとは思えないよね。二人ともエンジニアですから。ギタリストとベーシストじゃありませんので。

佐野 amPlug「けいおん!」版の音のチューニングは彼ら二人がやったんです。それで、このベースの彼は三尾(みお)くんと言うんですけど。澪ちゃんを三尾がやったという。

―― ……。

坂根 あの、いまのオチですから。

三尾 ……本当に申し訳ないです。あの、音はどうでした?

―― 楽器の特徴が出ていて、いい音だったと思います。レスポールの太くて腰のあるプレゼンスの効いた感じとか、アタックのある輪郭のはっきりしたジャズベの音とか。何をターゲットにチューニングしていくんですか?

三尾 やっぱりオープニングやエンディング曲に近いところへ持っていくことですけど、機材も使っているものが全然違うので、まったく同じにはならないんですけど、こういう音も出したいんだろうな、ということを考えながらですね。

佐野 こういうCDを彼らに聴いてもらって、劇中で使われている曲が演奏できる音を作ってくれというオーダーをしたんですね。

「こういうCD」

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