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清水 誠の「その指標がデザインを決める」 ― 第4回

ゴールのないサイトでもコンバージョンを測る方法

2011年11月23日 13時00分更新

清水 誠

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「また訪問してもらえたのか」を計測する方法

 今回計測したいことは簡単なようで実は難しいのですが、幸いGoogle Analyticsには「マルチチャンネル」という新しい機能があるので、シンプルな実装だけで近いデータが得られます。データ取得のために必要なのは、訪問開始時(訪問における最初のページ閲覧時)のイベント計測のみです。

1. 計測用コードの変更

 計測用のコードの中の


_gaq.push(['_trackPageview');

の前に以下の2行を追加します。


if (!(document.cookie.match(/(^|; )__utma=/) && document.cookie.match(/(^|; )__utmb=/)))
_gaq.push(['_trackEvent', 'Visit', 'Start', undefined, 0, true]);
設定メモ
  • Google Analyticsが訪問開始を判定するために発行する2つのCookie「__utma」「__utmb」のいずれかが存在しない場合に訪問を開始したと判定します
  • イベント計測が直帰率に影響を与えないように、5つ目の値でtrueを指定しています

2.「訪問開始」という目標(コンバージョン)を設定する

 先ほど設定したイベント発生を条件とした「訪問開始」という目標を以下のように設定します。

※これ以降の操作は、Google Analyticsを新バージョンに切り替える必要があります。

設定メモ
  • 目標タイプを「イベント」に変更し、発生条件としてのカテゴリとアクションを_trackEventで指定した「Visit」「Start」にします

マルチチャンネルのレポートを活用する

 今回は訪問を超えてコンバージョンを分析するため、Google Analyticsの「マルチチャンネルレポート」の機能を応用します。マルチチャンネルレポートは2011年にGoogle Analyticsに追加された新しい機能で、購入やコンバージョンに至るまでのマーケティングチャネル(検索やソーシャルなどのリンク元情報)の経路や貢献度を分析するための機能です。

 マルチチャンネルの「アシスト コンバージョン」のレポートを開き、対象とするコンバージョンを今回設定した「訪問開始」に変更します。

設定メモ
  • 目標の番号は前述の設定により異なります

 この結果表示される「アシスト コンバージョン」が、今回知りたかった「次の訪問につながった数」です。

 グラフ下の「表示中のセグメント」で、ディメンション(レポート左側の縦軸=区分)を「チャネルグループ」「ソース」「メディア」「AdWordsキャンペーン」「キーワード」などに変更できます。

「訪問」は便宜的な単位でしかない

 「訪問」とは、集計を容易にするための便宜的な区切りであり、大きな意味はありません。30分以上次のページに移動しなかったからといって、訪問者の興味や注意力が失われたとは限りません。食事や打ち合わせのために席を外したかもしれません。タブで複数のサイトを同時に開き、視界から消えたために一時的に忘れていただけかもしれません。

 また、2011年8月にGoogleはGoogle Analyticsにおけるセッションの定義を変更し、訪問の途中で異なるトラフィックソースから流入した場合に新たな訪問が発生したとみなすようにしました。トラフィックソースの分析をする時に増えない訪問があると、分析がしにくいためでしょう。「訪問」は分析のための恣意的なグルーピングに過ぎないのです。

 そこで今回は、間隔を問わず「また訪問してもらえた」という事実をコンバージョンとみなすことにしました。再訪問までの間隔はビジネスモデルやサイトの種類、そして人それぞれの事情によって異なりますが、再訪問したという事実は、興味関心がまた継続している確率が高いといえます。どんな理由であれ、戻ってきてもらえることは歓迎すべき喜ばしいアクションでしょう。

 冒頭では、「再訪問」をコンバージョンとみなす今回の考え方を、明確なコンバージョンが無いサイトでのコンバージョン設定方法として紹介しましたが、ECサイトやリード獲得系のサイトにも適用できます。

数字に踊らされないために

 今回の手法は簡単に実装できますが、とりあえず計測してみて結果から何かヒントを得るのではなく、仮説を立ててそれを検証するというアプローチが効果的です。サイトを再訪問するということは何を意味するのか? 信頼されたからのか? ファンになってもらえたのか? 何が期待されているのか?

 そういった仮説に基づいて、運営側はどんな取り組みをしているのか? どのような方法で集客しているのか? コンテンツの更新に力を入れているのか? SEOを重視しているのか? などの現状に応じ、レポートに含めるべきディメンション(区分、切り口)や指標の扱い方が変わります。ランディングページ別、訪問回数別、別のサイトでの閲覧行動の有無など、Google Analyticsが標準的には提供していない切り口が必要になった場合は、さらなるカスタマイズが必要です。今回の指標を単体で見るのではなく、期間内の合計訪問数で割る、各区分の合計訪問数で割る、などの処理も必要になるでしょう。

 最初から多くを盛り込むのではなく、仮説を立てる→検証する→結果を見てさらに仮説を立てる→その検証に必要なカスタマイズをする→結果を見る、と継続的に見直すことで、確実に改善アクションにつなげられるようになります。


著者:清水 誠 (しみず・まこと)

著者写真

米Adobe Systems, Inc. International Program Manager。1995年国際基督教大学を卒業後、凸版印刷やScient、Razorfishにて大手企業へのWebコンサルティングとIA設計に従事した後、ウェブクルーでは開発・運用プロセス改善、日本アムウェイでは印刷物のデジタル化とCMS・PIM導入、楽天ではアクセス解析の全社展開、ギルト・グループではKPIの再定義とCRMをリードした。2011年9月に渡米、リエゾンとエバンジェリスト活動の傍ら、執筆活動も続けている。eVar7代表、サンクトガーレン社外CMOも務める。

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