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Apple Geeks 第63回

iOSアプリは「iCloud対応」がポイント

2011年11月18日 12時00分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

iCloudストレージとアプリの関係

 アップルのクラウド戦略は、2001年スタートの「iTools」にまでさかのぼれる。ドメイン名「@mac.com」を付与するメールサービスと、自前のWebサイトを手軽に開設できるホームページサービス、当時にしては意味があった容量20MBのオンラインストレージ機能「iDisk」の組み合わせでスタート。無償ということもあり、Macユーザーに大いに利用された。

 その後iToolsは有償の「.Mac」に名を変え、カレンダーやアドレス帳との同期機能を装備し、さらに「Mobile Me」へと進化したことはご存知のとおり。現在の「iCloud」がその後継に位置することは、改めて述べるまでもないだろう(関連記事)。

 しかし、iCloudとそれら前身のサービスとを比較すると、決定的な違いがある。Mobile Meまでは、「Mac」という存在がインターネットとユーザーをつなぐ主役だったが、iCloudではiOSデバイスとMacが対等の端末に位置付けられた。バックアップ機能などiOSデバイスに手厚いサービスがあることからすると、むしろiOSデバイスが主役といってもいい。

OSと融合したクラウドサービス「iCloud」。ウェブブラウザーからもアクセスできる

 それに伴い、「ファイル」の扱い方にも変化が生じている。パソコンとデータをやり取りする場合は、「ファイル」という体裁をとらねばならないが、クラウドの外に出ていくことがなければ、その必要はなくなったのだ。たとえば最新のiOS版iWork(プレゼンソフト「Keynote」、表計算ソフト「Numbers」、ワープロソフト「Pages」)では、iCloudにサインインしている場合、新規文書をiCloud上に直接作成し随時更新するので、上書き(正確には「データの更新」)すら意識する必要がない。

最新のiOS版iWorkはiCloudに対応、新規文書は直接iCloud上に作成される(画面は「Keynote」)

 活用範囲がiOSデバイスとiCloudで完結すればそれでいいが、パソコンが絡むとなると、現状「ファイル」からは逃れられない。またiOSアプリやウェブサービスによっては、その対応方針に迷いや温度差があるようで、ユーザーの立場からは分かりにくい状態となっている。

 次ページでは、現在のiCloudを巡る「ファイル」の変化について、PDFを例に解説してみよう。

Keynote App
価格850円 作者Apple
バージョン1.5 ファイル容量114.8MB
カテゴリー仕事効率化 ユーザーの評価(3.5)
対応デバイスiPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS以降/iPadシリーズ 対応OSiOS 5.0以降
Numbers App
価格850円 作者Apple
バージョン1.5 ファイル容量108.7MB
カテゴリー仕事効率化 ユーザーの評価(3.5)
対応デバイスiPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS以降/iPadシリーズ 対応OSiOS 5.0以降
Pages App
価格850円 作者Apple
バージョン1.5 ファイル容量95MB
カテゴリー仕事効率化 ユーザーの評価(3.5)
対応デバイスiPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS以降/iPadシリーズ 対応OSiOS 5.0以降

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