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山谷剛史の「アジアIT小話」 第9回

バイクが柱のベトナムモバイル事情

2011年11月15日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ベトナムといえばバイクだ。ハノイもホーチミンも変わりない

ベトナムといえばバイクだ。ハノイもホーチミンも変わりない

 ベトナムと言って思い出すのは「アオザイ」か「フォー」か。でも、観光なり仕事なりで訪れた人にとっては、まず道を横断したくても横断できないほどに疾走するバイクを思い出すかもしれない。

 筆者も先日、ベトナムの商都「ホーチミンシティ」を訪ねたが、首都「ハノイ」と変わらずやはりバイクの波に圧倒された。

携帯電話ショップチェーン店

携帯電話ショップチェーン店

携帯電話ショップには学生も

携帯電話ショップには学生も

 日系企業がベトナム進出時にホーチミンシティをまず選ぶように、ホーチミンシティとその周辺の経済はベトナムのほかの地域を大きく凌駕している。ホーチミンシティの繁華街には高級なショッピングセンターやデパートが立ち並ぶ。

 面白いのは、世界的に携帯電話の勢いに押されている腕時計が、ホーチミンシティのショッピングセンターなどでは目立つ場所で売られていて、気にする消費者も多いということである。まるで携帯電話普及前の日本を見ているかのようだった。

携帯電話での通話はバイクに乗らないとき

携帯電話での通話はバイクに乗らないとき

バイクに乗っての電話は徐行か止まってから

バイクに乗っての電話は徐行か止まってから

 日本でも中国でも、人々は時間を確認するとき携帯電話を取り出しがちだし、暇つぶしにしろ目的を持つにしろ移動中や休憩中に携帯電話をとりあえず取り出す。しかし、ベトナムはバイク文化だ。さすがにバイク文化のベトナムでも、“バイクの海”の中で携帯電話を片手にバイクを走らせる人は滅多に見ることはなかった。

 普段から携帯電話を触らない環境下にあるからか、会話を楽しむ若者のグループやカフェでくつろぐカップルを見ても、話しながら携帯電話をいじったり、携帯電話そのものを話のネタにする状況を見ることは極めて少なかった。

 携帯電話が日本や中国ほど生活の中で溶け込んでないからか、ハノイよりも白黒画面の携帯電話を持つユーザーが多い印象。中高年を中心にチラホラ見かけた。

商業地には携帯電話店がズラリ

商業地には携帯電話店がズラリ

地方都市のパソコンショップ

地方都市のパソコンショップ

 もちろん、ベトナムの中でも平均所得の高いホーチミンシティでは、ハノイと比べてiPhoneやAndroidスマートフォンの販売店を多く見かける。しかし、主に自宅やカフェでネットデバイスを落ち着いて利用するデジタルスタイルだから、ノートPCのほうが飛ぶように売れている。

バス内では携帯電話をいじる人も見かける

サービスエリアにて。こういうところではスマホユーザーも散見

サービスエリアにて。こういうところではスマホユーザーも散見

 スマートフォンやノートPCでインターネットができるように、多くのカフェで「Wi-Fi」という文字が書いてあった。では、スマートフォンはどこで使われているかというと、筆者のベトナム滞在時の経験では、都市間移動で利用される長距離バスなどでスマートフォンユーザーやタブレットユーザーをしばしば見かけた。

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