「YHT-S351」はゲームもいける! ハイブリッドディスクで実力を確認
中西 「いや~ 堪能しましたよ。『劇場版マクロスF』を」
鳥居 「いやいや、まだまだ堪能しきれてはいないね。じつはこのBD、PS3用のゲーム『マクロスラストフロンティア』も収録されたハイブリッド仕様なんだ」
中西 「そう言えば! 確か盤面にも“Hybrid Pack”って書いてあったような」
鳥居 「ゲームは劇場版前編のBDにも収録されていたけど、今回はゲームの進行に連動して小画面で本編シーンが流れたり、収録ステージそのものも大幅に増えていたりと、さらにボリュームアップしていますね。しかも、ゲームの音声も5.1ch仕様!! ここは重要です」
中西 「なんと贅沢な!」
「YHT-S351」はゲームプレイにも最適だ。サラウンドモードとして、GAMEモードが用意されているほか、MOVIE、MUSIC、SPORTS、TV PROGRAM、STANDARDの各モードも選択できる(STANDARDは、スピーカーを5本組み合わせたときのみ選択可能)。
中西 「さっき見たシーンの戦闘が自分でもプレイできるというわけですね。何より、ミサイルが飛来するさまが映画よりも明瞭ですよ」
鳥居 「ゲームでは、飛来するミサイルやビーム、爆発音などの再生位置が、操作するバルキリーの動きに合わせて刻々と変わるよね。だから、ミサイルを避けたときの感じがよりはっきりと伝わるでしょう」
中西 「マクロス名物の納豆ミサイル(ミサイルから発せられた噴射煙による航跡が特徴的なため、こう呼ばれる)を振り切っているシーンを体感できますね。これは気持ちいい!」
鳥居 「サラウンドモードのGAMEも、より定位感を明瞭に再現するようで、音の移動感がよく伝わるね」
(C)2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会 (C)2011 NBGI
中西 「僕はゲームのサウンド周りに詳しくないんですが、最近はゲームも5.1chが当たり前なんですか?」
鳥居 「最近のPS3のゲームタイトルでは、ほとんどがサラウンド仕様だね。特に、人気の高いFPSでは、後方からやってくる敵を音で察知できるということもあって、サラウンドは欠かせないものになっているよ」
中西 「音が良くなったおかげで、ゲームへの没入感も高いですよ。これは結構夢中になっちゃうかも。でも、まだ子供が小さいので、銃撃音がドカドカ響くと怖がるかも……」
鳥居 「その点もご心配なく。『YHT-S351』はヘッドホン出力も備えていて、ヘッドホンを使ったバーチャルサラウンドにも対応しているんだ」
そこで、さっそく中西クンにヘッドホンでのサラウンドも体験してもらった。ヘッドホンでのサラウンド効果も上々のようで、夢中になってプレイしている。ヘッドホンによるサラウンドでは、音を出すドライバーユニットが耳に近いせいもあり、少し空間が狭いような感じはするものの、音場はより明瞭で移動感や後方の音の定位感はなかなかにリアルだ。
YHT-S351で楽しむ『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』の音響(3)
文=氷川竜介
「歌・台詞・戦闘」が一体となってサラウンドで迫る
「完結編」は完全新作がウリで、ランカの「監獄ライブ」も新鮮な驚きを守るため、公開まで秘密にされていた。ここに流れる「星間飛行」は「キラッ☆!」という必殺フレーズが有名な曲で、実際のライブでも観客が一緒に叫ぶのがお約束である。
野外に設置されたステージで囚人たちが合唱するシーンにも、実際のライブで収録された現実音が使われている。もしかしたら自分の声も入っているかもしれないというリアリティが、究極の一体感を醸し出している。
このシークエンスでは監獄の中と外、カメラ位置が何度か切り替わるが、囚人たちの大合唱の遠近感が微妙に違えてある。「YHT-S351」はリアの残響感の違いをうまく出して、幽閉されたシェリル救出が成功するかという緊迫感を正しく盛り上げていた。
クライマックスでは、ダブルヒロインが手をたずさえてデュオとなって熱唱、最強の敵とバルキリーで戦う主人公・早乙女アルトの舞うような空中戦を盛り上げる。
激しい歌曲の展開と超スピードで交錯する戦闘機とミサイル、炸裂する爆発とセリフに歌詞と、いくつもの音が重なりあい、遠近やカメラポジションがひんぱんに切り替わる。にも関わらず、三位一体となった音響はそれぞれ大事な音をきちんと聞かせ、ひとつの流れを産み出してドラマを盛り上げて見事である。
一回映像を観ただけでは何が起きているのか、まばたきをするだけで見落とすコマが出てしまうが、耳から入る音は連続したまま途切れず、緊張感を持続させる。
2.1chのバーチャル再生とはいえ、「YHT-S351」は映画のツボを押さえたサラウンド感で皮膚から臨場感を適切にサポートするシステムであった。省スペースで鑑賞するには、もってこいの機器と言えるだろう。