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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第76回

「けいおん!」「ボカロ」なぜコンビニに――ローソンの“本気”

2011年11月05日 12時00分更新

文● 四本淑三

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みんなで作るソーシャルメディアアイドル

―― ところで、「あきこちゃん」って何なんですか?

白井 TwitterやFacebook、モバゲー、GREEなどソーシャルメディアを15媒体やっていまして、そこの語り手としてあきこちゃんというキャラを作ったんです。そのキャラクターをも最初は後ろを向いていて、顔は見えていなかったんですね。その顔をpixivさんで募集して、その後「こえ部」さんで声優さんを募集して、その同じ声優さんで作ったボーカロイドが「あきこロイドちゃん」ということです。あきこちゃんペルソナはすべてCGMで作られる、みんなで作るソーシャルメディアアイドルというコンセプトでやっています。

※ Twitterは2010年4月からスタート。アカウントは@akiko_lawson。pixivでは"ローソンクルー「あきこちゃん」を前から見た顔を描いてください!"とイラストコンテスト形式で公募

ローソンクルー「あきこちゃん」人物相関(公式サイトより)

―― 声優さんはどういう方なんですか?

白井 こえ部の部員さんで高校生ですね。本当に素人の方です。声優オーディションというのをやりまして2800通の応募があった中から選んだんです。

※ 声優として採用されたのは有本さん。設定上はローソンでバイトしている20歳の大学2年生で、勤務店舗は「ローソンTwitter店」

―― 選考基準は?

白井 選ばれると店内放送でヘビーローテーションされるんですよね。2時間に1回くらい「ローソンクルーのあきこです」って言ってるんですよ。するといろんなお客様や(加盟店の)オーナーさんがいらっしゃるので、あんまりアニメ声だと「何だこれは!」ってなっちゃうので。普通に皆から好かれる、元気な20歳の女の子の声がいいだろうと。

―― ローソンは全国津々浦々に店舗があるわけですが、ボカロ目当てに来店された方の反応はどうですか?

白井 アニメ好きやボカロ好きの方からしてみると、もうちょっとアニメ声のほうが良かったとか、自分が想像していたものとローソンで聴いたもののイメージが違う、とかいう声は聞いています。

―― 一般のお客さんはどうなんでしょうね。お店に来るとテレビでは流れない知らない曲が延々かかっているわけじゃないですか。

白井 そこは皆さん言われるんですけど、自分がその曲を知っているから認識するわけですね。知っていれば気になるけど、知らなければただの曲なんですよ。

―― なるほど。

白井 興味のない曲はスルーされると思うんです。店頭に付いてる幕なんかはリラックマだったりするんですよ。だから大部分の方には「今ローソンでリラックマフェアやってるよね」という風に思われていて。このネット媒体にリーチしている人にだけ、ローソンがコアなファン向けのコンビニに見えている。同じローソンなんですけど、人によって見え方が変わっているんだろうなと思います。

人は興味のある対象に目を向けるもの。「同じローソンだけど、人によって見え方が変わっている」という

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