マルチスレッド系ベンチ
マルチスレッドのテストは、SISOFTの統合ベンチマーク「Sandra 2011 SP5 17.80」のCPU系ベンチマーク、「CINEBENCH R11.5」、PEGASYSの「TMPEGEnc VIDEO Mastering Works 5」を用いたフルHD解像度とSD解像度のx264エンコード(フィルターはなしでエンコードのみ)、「PCMark7」で行なった。
Sandra 2011 SP5はAVXや新拡張命令をサポートするため、一部の項目でFX-6100が他を大きく引き離しているが、それ以外の項目は4コアのPhenom II X4 980 BlackEditionに近い数値だ。他のテストでも6コアのPhenom II X6 1055Tのほうが高パフォーマンスであり、4コアのPhenom II X4 980と勝ったり負けたりになっているなど、6コアCPUとしては物足りない数値である。
メモリー系ベンチ
メモリーはすべてDDR3-1333動作でテストを行なっているが、メモリー帯域テストはFX-6100が最もよい結果である。メモリコントローラーは確実に性能向上しているようだ。
消費電力
消費電力は、フルロード時としてx264エンコード中、アイドル時としてCnQオンでWindows起動直後に数分ほど放置したあとの値を、サンワサプライのワットチェッカーを用いて計測している。結果を見ると、FX-6100の消費電力は他CPUよりも30~40Wほど低めだ。比較対象のCPUがいずれもTDP125Wの中、FX-6100のTDPは95Wなので、この数値は妥当なところだろう。
正直微妙……
Phenom IIから移行するメリットがない
ベンチマーク結果を振り返ると、新拡張命令をサポートするアプリケーションが少ない現状では、性能がフルに発揮できないのは仕方ないのだが、それを考慮してもPhenom IIから移行するだけの性能的なメリットがない。
1万5000円前後の価格もPhenom II X6 1090Tと比較すると安いとは言えず、FX-6100はセールスポイントの見あたらないCPUという印象だ。新しいCPUでいろいろと楽しみたいのなら、このFX-6100はスルーしてFX-8150の登場を待つ方が楽しめるだろう。
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