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最新パーツ性能チェック 第115回

6コアの「FX-6100」は同じ6コアのPhenom II X6より買いか?

2011年10月23日 13時01分更新

文● 宇野 貴教

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マルチスレッド系ベンチ

 マルチスレッドのテストは、SISOFTの統合ベンチマーク「Sandra 2011 SP5 17.80」のCPU系ベンチマーク、「CINEBENCH R11.5」、PEGASYSの「TMPEGEnc VIDEO Mastering Works 5」を用いたフルHD解像度とSD解像度のx264エンコード(フィルターはなしでエンコードのみ)、「PCMark7」で行なった。
 Sandra 2011 SP5はAVXや新拡張命令をサポートするため、一部の項目でFX-6100が他を大きく引き離しているが、それ以外の項目は4コアのPhenom II X4 980 BlackEditionに近い数値だ。他のテストでも6コアのPhenom II X6 1055Tのほうが高パフォーマンスであり、4コアのPhenom II X4 980と勝ったり負けたりになっているなど、6コアCPUとしては物足りない数値である。

Sandra 2011 SP5 17.80 CPU系ベンチ better→

CINEBENCH R11.5(単位:points) better→

TMPEGEnc 4分動画 x264エンコード時間(単位:秒) ←fast

PCMark 7 1.0.4(単位:Socre) better→

メモリー系ベンチ

 メモリーはすべてDDR3-1333動作でテストを行なっているが、メモリー帯域テストはFX-6100が最もよい結果である。メモリコントローラーは確実に性能向上しているようだ。

Sandra 2011 SP5 17.80 メモリー帯域 better→

消費電力

 消費電力は、フルロード時としてx264エンコード中、アイドル時としてCnQオンでWindows起動直後に数分ほど放置したあとの値を、サンワサプライのワットチェッカーを用いて計測している。結果を見ると、FX-6100の消費電力は他CPUよりも30~40Wほど低めだ。比較対象のCPUがいずれもTDP125Wの中、FX-6100のTDPは95Wなので、この数値は妥当なところだろう。

消費電力(単位:W)←better

正直微妙……
Phenom IIから移行するメリットがない

 ベンチマーク結果を振り返ると、新拡張命令をサポートするアプリケーションが少ない現状では、性能がフルに発揮できないのは仕方ないのだが、それを考慮してもPhenom IIから移行するだけの性能的なメリットがない。
 1万5000円前後の価格もPhenom II X6 1090Tと比較すると安いとは言えず、FX-6100はセールスポイントの見あたらないCPUという印象だ。新しいCPUでいろいろと楽しみたいのなら、このFX-6100はスルーしてFX-8150の登場を待つ方が楽しめるだろう。

ついに発売されたAMD FXシリーズ。やっぱり8コアが欲しいよねというのがホンネだが、まずは「AMD FX」シリーズのデビューを祝福したいところだ

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