ポイント4 急速充電など、オプションにも使いやすさのノウハウ
オプションのキーボードは、キーストロークが1.5mmと歴代のThinkPadにはないショートストローク。ただし、フィーリングに関してはThinkPadクオリティーを体現すべく、静かで安定したタイピングが可能だ。特にキートップのぶれがなく、表面をなでた際にもカタカタと不安定に動いたりしない。
ポインティングデバイスは、TrackPointではなく光学デバイス(レーザーマウスを逆にしたと考えるとイメージが近い)だが、中央には赤いハイライトを用意して、ThinkPadらしさを出している。
タブレットPCに欠かせない周辺機器といえば、正確なポインティングを可能にするデバイスだ。本製品にはマルチタッチパネルを採用しているため、素手での操作が可能だが、付属の電磁誘導式タッチペンにより、筆圧感度は256段階という精密さでインターフェースやアプリを操作することが可能だ。OSに搭載している文字認識ツールの使い勝手は良く、走り書きをしても見事に認識してくれた。
付属のボタン類の操作性も良好だ。本体下部にあるボタン類は、本体を縦方向にした場合、ボタンの半分から下を押しても反応せず、上部を押すことになる。このおかげで、タブレットPCの手前側を自信の腹や胸に押し当てて安定させたい場合、誤ってボタンを押してしまうことがなかった。
最後に専用ドックについて。充電だけでなく、USBポートの拡張やオーディオ端子も備えており、持ち帰って机の上でThinkPad Tabletをセットすれば、デスクトップに近い雰囲気で使える。ここはすぐ気付く特徴だ。
しかしこだわりはそれ以外にもある。充電用のACアダプターは手持ちのThinkPadのものが共用でき、かつ急速充電にも対応するという点だ。ThinkPad Tabletは、通常5VのUSB充電だが、ACアダプター経由で充電すると3~4倍の速度でチャージが可能になる。
外出先や会議室などで使ったあと、ドックにセット。離席中に来たメールなどを何となくチェックしているうちに、次に持ち出す際に必要なバッテリーが蓄えられる。時間のかかるUSB充電では、こうした機動性を損なってしまいがちだ。この1点からでも、ThinkPad Tabletが誰でも作れるタブレットではなく、本当に役立つタブレットを考えて設計されたということが分かる。
次回はAndroid OSである本製品をWindowsネットワーク内で使う場合の利便性とセキュリティを見ていきたい。
今回試用している「ThinkPad Tablet」の主なスペック | |
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CPU | Tegra2(1.0GHz) |
メモリー | 1GB |
グラフィックス | オンボード |
ストレージ | フラッシュメモリ 32GB |
インターフェース | USB2.0×1、MiniHDMI出力、メディアカードリーダーなど |
サイズ | 幅260.4×高さ14.5×奥行き181.7mm |
重量 | 約759g |
OS | Android 3.1 |
直販価格 | 6万5940円 |