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高速起動とフィーリング、上質を体現した1台

Acerのウルトラブック「Aspire S3」を触った

2011年11月02日 12時43分更新

文● 小林 久/ASCII.jp編集部

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クイックに復帰、スリープ中も長時間駆動

 S3シリーズのコンセプトは4つあるとチャン氏は話すが、その中でもポイントとなるのは、「Instant On」「Instant Connect」。つまりスリープ状態の復帰の速さだ。

 Instant OnとはACPIのS4モード(ハイバネーション)/S3モード(サスペンド)モードから復帰する際の起動が高速であるということ。通常のサスペンドであれば1.5秒、Deep Sleepモードでも6秒で復帰が可能になるという。メモリー上にある作業データは、Flashメモリー内に保存する。これはSSDモデルだけでなくHDDモデルでも共通で、Instant On専用のFlashメモリーを搭載している。

 上述したようにスタンバイ状態での消費電力を下げる工夫をしているため、OSの不具合さえ生じなければ、マシンを再起動させず、短時間で作業に復帰できる状態を維持することが可能だ。自宅などで短時間使い、あとは寝かせておくという使い方なら、週1~2回の充電でも十分使えるだろう。

 一方、Instant Connectは、無線LANの接続時間を短縮するための技術だ。チャン氏の説明によると、Windows標準のWi-Fiマネージャーでは、スリープから復帰する際にも、周囲の無線LANアクセスポイントを一通りスキャンし、その上で優先度の高いものに接続を試みるから時間がかかる。

 Instant Connectでは、スリープから復帰した際に、それまで接続していたアクセスポイントをまず探し、そこに接続するのですぐつながる。

 チャン氏は「スリープから復帰した際、通常10秒程度かかるWi-Fiへの接続時間が、2.5秒ほどで済む」とする。上述のInstant Onと併用すれば、6秒と2.5秒で8.5秒ほどでネット接続が可能だ。逆に標準状態では25秒と10秒で35秒。

 例えば、会社や自宅のデスクでパソコンを使っていて、少し離席したあとに再度マシンを使い始めることはよくある。この際にいちいち待たされるのではストレスだ。また、ノートはデスクだけでなく、会議室や打ち合わせスペースに持ち運ぶことも多い。こんなとき、スリープからの復帰の遅さを嫌って、電源ONのままにする人も多いだろうが、Aspire S3ならそういったことを考えずに、スリープを使うことができる。

美しさに対する執念すら感じる

 上述の即時性に加えて、Aspire S3がこだわったのが「美しさ」である。薄さはウルトラブック全体に共通する特徴だが、部材の選定には特に気を配り、アルミ合金製の美しいフォルムを実現している。

シンプルに厳選されたポート類。側面にはSDカードスロットとヘッドホン端子だけを装備する

背面にはUSB端子を2つ装備。電源コネクターと排熱口も置いている。薄型でもプレゼンに必要なHDMI端子も持つ

 ポート類の配置もこだわりのポイントだ。薄さを強調するため、わざと背面に集めている。排気に関しても後方に流れて行くので、熱い空気が手などに当たって不快な思いをする機会も減る。パームレストの表面温度は高負荷時でも体温より低い34度。通常では27度程度に収めているという。

パームレストのロゴに注目。CPUとOSのシールまで本体カラーと統一されている

シリアルナンバーなどは底面に貼り付けられた鏡面プレートに集約している

 個人的にここまでやるかと思ったのが、パームレストに貼られたインテルとWindows 7のロゴである。Windowsノートがダサく感じる理由のひとつに、これらのシールが本体のデザインとマッチしていない点が挙げられるが、シールの配色をチタン調の単色に統一することで、そういった品の悪さを感じさせない。

突起のほとんどない底面。ゴム足ひとつとってもこだわりを感じさせる印象だ

 ゴム足の形状も大きく、安定感が高そうだ。これ以外にも電源ボタンはヒンジ部分で少し内側に置き、手で触ってスグ位置が分かり、液晶ディスプレーを閉じた状態でも、LEDの状態を確認できる。

電源ボタン。このあたりのデザインにも手を抜いていない印象だ

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