このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

開発者の情熱! スマホ&アプリ、サービスの生みの親に直撃! 第5回

アラフォー男子開発陣がホンキで取り組んだ女性向けスマホ

2011年10月26日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

女性不在のプロジェクトチームで
女心をわし掴みに

── 開発から1年半かかったとのことですが、その苦労はどのようなものがありましたか?

池田 われわれとしては、スマートフォン開発はすべて初めての経験だったので、開発の環境作りからスタートせざるを得ませんでした。今までのフィーチャーフォンでの開発方法を踏襲できないわけですから。フィーチャーフォンの開発では、競争の連続でしたが、スマートフォンでは大きく環境が変わりましたね。

── というと?

池田 汎用OSであるAndroidを採用することになったので、メーカーとしての特徴を出しにくくなりました。ある意味でWindowsパソコンに似ていますよね。また、グローバルメーカーとの競争も激しくなりました。

村本 製品の開発開始からリリースするまでの時間もとても短くなりました。従来のフィーチャーフォン端末と同じように開発していたら、計画が破綻してしまいます。開発の動きを早くする一方で、「他者にない強い製品を出す」ことが最大の課題となっていきました。

池田 そこで、この製品では原点に立ち戻って開発を進めました。お客様にいろいろとお話をうかがって、不満を見つけて改善して……というのを繰り返し、新しい発想で開発を進めることにしました。

── 具体的にはどのように行なったのですか?

池田 やり方はいろいろありますが、たとえば女性ユーザーAに「スマホに関して困っていることはないか?」と聞いてみて、その改善方法を考えたら、違うユーザーBにそれを伝えて感想を聞いてみます。すると、それに対して「いいね」と言われたり、ほかの困ったところを追加で聞き取れたりするわけです。この繰り返しですね。それらの解決策を組み合わせると、発想の転換によって今までにない解決策が生まれたりすることもあります。これらの聞き取りは、知り合い、グループインタビュー、社内調査などさまざま行ないました。

── 女性向け端末ということですけど、開発陣に女性はいらっしゃらないんですか?

池田 これが意外なことに、アラフォーの無骨な男性ばかりなんですよ(笑)。

── それでは、女性の意見をくみ取るのは困難ではなかったですか?

池田 まさに大変でしたね(笑)。しかし逆に、男性ばかりだったからこそ女性の意見を客観的に、積極的に聞きながら製品を作り上げることができたとも言えますね。

村本 弊社のスマートフォン対応はやや出遅れましたが、当初から女性向けとして決めて発売したモデルとして自信をもって市場に送りだしました。

── 今後、御社が提供するスマートフォンのモデルはどうなっていくでしょうか?

池田 基本的には、既存のフィーチャーフォンにあるような、ブランドネームが付加されたラインナップを拡張していく方向になると思います。もちろん。P-07C、003Pのような女性向け製品に関しても、後継機種の開発を続けていく予定です。今後もご期待下さい!

── ありがとうございました。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン