── 製品の特徴を教えてください。
池田 まずデザインです。我々がスマートフォンについての調査を始めたころ、市場に出ている製品は四角くて黒いものばかりでした。それを女性ユーザーが敬遠しているのでは? と考え、曲線を活かしたり、カラーリングを華やかにしたりした「グランスデザイン」を採用しました。
池田 このカラーリングは、従来の弊社のフィーチャーフォンのイメージを引き継いだものです。
村本 さらに、端末の外もオシャレなら中もオシャレにしたいと考えました。そこで、画面内のさまざまな要素、例えばホーム画面、キーパッド、写真などを装飾できる「トータルデコレーション」機能を搭載しました。
── 操作性に関しても女性向きの配慮があるとのことですが?
池田 女性でも無理なく片手操作ができるような工夫を凝らしています。まずは、画面サイズの調査から始め、3.2型から徐々に画面サイズを大きくしていき、小刻みに4.5型ぐらいまでのサイズを、実際に女性サンプルユーザーに触っていただいて、どのサイズが使いやすいかを調査しましたが、その結果、この製品に採用した4.3型に落ち着いたというわけです。
村本 このサイズで手持ち感と大画面のバランスがいいという評価をいただきました。我々も開発当初は、3.7型ぐらいが妥当なのではないかと思っていたのですが、実際には画面は大きい方がいいという意見がたくさん寄せられました。
池田 女性ユーザーの多くは、端末のスペックだけを見ているのではなく、かわいらしさ、持ちやすさといった使い心地を重視していて、サイズの大きさはあまり気にならないようです。これは、女性が一般的にケータイやスマートフォンの端末をカバンに入れて持ち運ぶことが多いことが理由のようです。
サイズアップを補って
女性でも操作しやすい工夫を
── しかしサイズが大きくなれば、女性にとっては操作性が悪くなるのでは?
池田 そうですね。画面サイズが大きくなると、片手操作したときに、女性の指では画面の上の方に届かなくなることが懸念されます。それならば、指の届く範囲にアイコンを並べればいいと考えました。しかも、Androidの複雑な画面構成をシンプルにわかりやすくして、1画面で片手操作ができるUIを作ることにしました。従来から弊社のフィーチャーフォンでは「スピードセレクター」が女性に受けていたので、それとタッチ操作を組み合わせて「タッチスピードセレクター」を搭載しました。
池田 それから、メールやブログなどの文字入力をするのに、両手で操作するのではなく、キーパッドを拡大・縮小したり、パッドの位置を調整できる「フィットキー」を採用し、片手での文字入力を容易にしています。
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