GR DIGITALシリーズは、ほかのデジタルカメラに先駆けて電子水準器を搭載していたが、今回のGR DIGITAL IVではこの水準器が水平方向だけでなくアオリ方向にも対応するようになった。建築物などの水平だけでなく垂直方向でも傾きが気になるような撮影のとき便利だろう。
ほかの撮影情報と同時に表示させたときでも見やすく、邪魔にならない程度の面積で水平垂直方向の傾きを見せるこの表示の仕方は非常にうまいと思った。
とにかく小さくて画質のいいコンデジ
初代の頃からコンデジとしては高額だったGR DIGITALシリーズである。しかし、いまやデジタル一眼レフやミラーレス一眼でもズームレンズキット、あわよくばダブルズームレンズキットでもこのGR DIGITAL IVよりも低価格な機種は存在する世の中になってしまった。
カタログスペック的に見ると最新技術の塊という感覚は感じられないし、小型軽量をうたい文句にしているミラーレス一眼と比較して、明確なアドバンテージはなんだろうと考えると、さらに小型なコンデジであることくらいだろう。
しかし、GR DIGITALシリーズには独特の魅力がある。ほかのデジタルカメラが頻繁にモデルチェンジやデザイン変更がされてしまうに対して、GR DIGITALシリーズは初代からほぼ一貫したデザインであり、さらに「次のモデルチェンジはまた約2年後だろう」という安心感が持てる。
それでいて、使い勝手や細かい画質部分には確実な進歩がある。普段から画質のいいカメラを持ち歩きたいが、ミラーレス一眼でも鞄の隅に入れておくには大きい。でも普通のコンデジまで妥協はしたくない。というようなこだわりのあるユーザーにこのGR DIGITAL IVをチェックしてほしい。