このページの本文へ

AMD「秋のAMD FX祭り」

AMDが新CPU「AMD FX」シリーズの発売日をイベントで発表

2011年10月16日 22時20分更新

文● ASCII.jp編集部 北村

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本AMDは16日、CAFFE SOLARE(カフェソラーレ)LinuxCafe秋葉原で、新CPU「AMD FX」シリーズの発表を記念したイベント「秋のAMD FX祭り」を開催。同シリーズや対応マザーボードの紹介、オーバークロックデモなどを実施した。

13時のイベント開始前から、すでに会場前には人だかりができていた

店内はイベント終了まで超満員の状態。来場者のFXシリーズへの関心の高さがうかがえる

展示ブースには各社のAMD FX対応マザーボードの展示や、実機が展示されていた

オーバークロック講座

 ステージでは、OVERCLOCK WORKSの渡辺氏が、オーバークロックについて細かく解説。FX-8150(3.6GHz)と付属の水冷クーラーを使用したBIOSの設定方法や電圧の上げ方をレクチャーした。
 まず、電圧1.35VでCPUを4.8GHzまでオーバークロックして、CINEBENCHを走らせるとマシンが落ちることを実演。次に、電圧を1.45Vに上げるとベンチが完走することを来場者に見せた。
 AMD FXはオーバークロックに向いているCPUということで、今度はさらに電圧を上げ、1.5Vで5GHz超えに挑戦。見事CINEBENCHが無事完走し、電圧の管理がいかに大切かを説いた。

OVERCLOCK WORKSの渡辺氏によるオーバークロック講座。BIOSの設定方法や電圧の上げ方をレクチャーした。ただし、電圧を上げすぎてパーツを壊すリスクもあるので、オーバークロックは自己責任となることを忘れずに!

 続いて、液体窒素冷却によるオーバークロックを実演。あいにく会場内の気温と湿度が高かったため、マシンが結露しやすく6.4GHzまでのオーバークロックとなったが、同氏はイベント前に7.8GHzのオーバークロックに成功しており、AMD FXシリーズのオーバークロック耐性の高さをアピールした。

液体窒素冷却によるオーバークロックデモ。CPUの温度はマイナス180℃。この状態なら8GHz超えも目指せるかと思えたが、悪条件が重なり途中で断念

米AMDからボブ・グリム氏が来日
発売日の発表に期待が高まる!

 イベントの最後のセッションでは、米AMDのボブ・グリム(Bob Grim)氏が登場。わざわざこのために来日したのだから、きっと重大な発表があるに違いないと、多くのファンが会場に詰めかけた。会場に入れなかった人は入口に設置されたディスプレーで内部の様子をチェックし、AMDからの情報を一語一句聞き逃さない様子だった。

米AMDのクライアント製品マーケティング担当ディレクター ボブ・グリム(Bob Grim)氏

グリム氏が「AMD FX」の実物を披露。それを見た来場者からツバを飲み込む音が聞こえた

グリム氏自ら、AMD FXシリーズの概要とそれを使用する利点を紹介

自動オーバークロック機能の「TurboCORE」がパワーアップ。従来は半数のコアの周波数をアップしていたが、FXシリーズでは全コアをクロックアップできる

暗号通信用の拡張命令「AES」と、マルチメディア用の拡張命令「AVX」が強化され、Phenom II X6よりも約3.7倍処理速度が向上しているという

他社製品との比較。AMD構成は同等の性能で800ドル安く組める。800ドルの差ではあまり性能は変わらないので、浮いたお金でビデオカードや液晶ディスプレーを購入するといいとのこと

海外では液体ヘリウムを使った特殊な環境ながら、「FX-8150」が8.429GHzという世界最高クロックを達成し、ギネスブックに登録された。その証明書をドヤ顔でアピールするグリム氏

AMD公式 世界最高クロック達成動画




 これでAMDのイベントは終了。「あれ?期待していた情報が出てこないぞ」と来場者も帰る気が全くない。そこへ日本AMDの森本氏が現れ、ついにAMD FXシリーズの発売日が明らかにされた。

 「6コアのFX-6100と4コアのFX-4100が、10月23日に発売開始です」

 これまでさんざん8コアの優位性をアピールしておきながら、肝心の8コア製品の発表がない。来場者から「8コアは?」という質問が怒涛のように寄せられた。当然だろう。そこで告げられたことは以下のとおり。

 「6100と4100以外の発売日は未定です」

 これには、会場から「え~~~~」という声が一斉に発せられた。その声はおそらく近所のドスパラやクレバリーにまで届いたのではないだろうか。

AMDの森本氏が発売日を公表。ちなみに彼は“紳士”というニックネームで、2年前までAMDの顔として活躍していた人。AMDの紳士の復活は、ちょっぴりうれしいニュースでもある

 期待させるだけ期待させておいて、おあずけにするAMD。なかなかジラすのが上手い。イベントの帰りに近くのショップで予約していこうと考えていた来場者は、発売日すらわからない新製品にやや失望気味……。
 とはいえ、来場者のほとんどは、CPUの実物やデモ機を眺めつつ満足そうに会場を後にしていった。度重なる発売延期に、ファンもすっかり慣れているようだ。

【関連サイト】

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中