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今さら聞けない人のためのWindows 7特集 第2回

ベンチマークでわかる Windows 7 32bit vs 64bit

2011年10月12日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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ウェブブラウザーベンチマークテスト 3種

Mozilla Krakenベンチマーク

Google V8ベンチマーク

Webkit SunSpiderベンチマーク

 次に、主にJavaScriptの処理速度を計測するウェブブラウザーベンチマークを「Internet Explorer 9」「Firefox」「Chrome」の3ブラウザーで計測した。

 ブラウザーベンダーが提供するベンチマークプログラムにはそれぞれでクセがあり、ブラウザーによって計測結果が偏ることがあるので、ここではMozillaプロジェクトの「Krakenベンチマーク」、Googleの「V8ベンチマーク」、Webkitオープンソースプロジェクトの「SunSpiderベンチマーク」を実行した。

Krakenベンチマークの結果。単位はミリ秒(短い方が高速)

V8ベンチマークの結果。単位はスコア(長い方が高速)

SunSpiderベンチマークの結果。単位はミリ秒(短い方が高速)

 いずれのテストでもChromeの速さが目立つ結果となったが、それはともかく、ほとんどのテストで64bit環境のほうが、ウェブブラウザーの処理速度は高速であることが明らかになった。またメモリーサイズの大きいほうが、高速であるという結果に落ち着いた。

ゲーム系ベンチマークテスト 3種

3DMark 11

FINAL FANTASY XIVオフィシャルベンチマーク

ロストプラネット2ベンチマーク

 最後に、ゲーム系のグラフィックスベンチマーク3種類を計測してみた。使用したのは「3DMark 11」「FINAL FANTASY XIVオフィシャルベンチマーク」「ロストプラネット2ベンチマーク」の3種類。それぞれの結果は以下のとおり。

3DMark 11の結果。単位はスコア

FINAL FANTASY XIVベンチマークの結果。単位はスコア

ロストプラネット2ベンチマークの結果。単位はFPS

 3DMark 11の結果を見ると、物理演算性能を計測する「Physics Score」がCPUとメモリーの影響を受けていて、32bit環境より64bit環境のほうがスコアがよく、同時にメモリーサイズが大きいほうがスコアが高くなっている。「Combined Test」でも同様の傾向だが、差はわずかである。

 FINAL FANTASY XIVベンチマークの結果では、32bit 4GB環境と64bit 4GB環境の結果がほぼ拮抗しているが、全体的には32bit環境よりも64bit環境、かつメモリーサイズが大きいほうが高スコアとなっている。

 ロストプラネット2ベンチマークでは、DirectX 11バージョンとDirectX 9バージョンの計測が可能である。DirectX 9の計測結果がほぼ横並びなのに対して、DirectX 11バージョンでは、64bit環境でメモリーが多いほど計測結果が高くなっている。

 ゲームの種類にもよるとはいえ、3Dグラフィックスを駆使するゲームに関しては、64bit環境で大容量メモリーを利用できるメリットが大きいようだ。

まとめ 8GB以上のメモリーで
Windows 7 64bitを導入しよう!

 今回の結果を俯瞰して見てみると、4GBのメモリーを搭載した場合の32bit環境と64bit環境では、パフォーマンスが拮抗しているか、32bit環境のほうがやや高パフォーマンスというケースがいくつかあった。一方で、8GBメモリーを搭載した64bit環境は、いずれの計測でもおおむね好成績を残している。

 つまり搭載メモリーが4GBの場合は、32bit環境と64bit環境ではそれほどパフォーマンスの違いを感じられない可能性があるということだ。Windows 7で64bit環境を整えるのであれば、メモリーは8GB以上を搭載するのがおすすめとなる。

 またPerformanceTest 7では、64bit環境で32bit版と64bit版のプログラムを使って計測しているが、64bit版のほうが良好な結果を残している。もちろん、Windows 7の64bit環境では、32bitアプリも問題なく動作することがほとんどだが、同じアプリに32bit版と64bitネイティブ版が用意されているのであれば、64bitネイティブ版を選択するほうが性能を引き出せる可能性がある。

 アドビシステムズの「Photoshop」「Premiere」シリーズや、マイクロソフトの「Office 2010」などをはじめとして、すでに64bitネイティブ版をラインナップに加えているアプリケーションは少なくない。アドオン等の互換性に問題がなければ、64bit環境ではそれらを積極的に選択するといいだろう。

 そのうえで、周辺機器のデバイスドライバーにさえ問題がなければ、もはやWindows 7の64bit環境導入をためらう理由はない。これからWindows 7を導入しようとする人にはもちろんおすすめだが、32bit環境のパフォーマンスに限界を感じている人も、ぜひ「8GB以上のメモリーを搭載したWindows 7 64bit環境」へ移行を検討してほしい。

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