せっかくなので風防も買っておこう
本体はタッチパネル式の液晶画面で操作する。録音、停止、再生などの操作系は物理ボタンでまとめられている。ユニークなのはレベル設定のツマミだ。角度とボリュームの値が常時一致するアナログ風の操作感覚で、操作系をロックするホールドスイッチも、このツマミにだけは効かない。
その感覚をデジタル的に支援するのが、入力に応じて録音レベルを決定する「オートセンス」という仕組み。デジタル録音においては、レベル設定ミスでクリップさせるのが一番怖い。その部分だけ、ただのノイズになってしまうから。それを避けるためにリミッターを使うと、せっかくのダイナミックレンジが台無しだ。
そういう難しい判断を助けてくれるのがこの仕組み。ただしオートとは言っても、合わせてくれるのは大まかなゲインだけ。録音レベルについては推奨値を示すのみで、人間はそれを見ながらツマミを回して合わなさいというわけだ。なにやら機械に使われている気もしないではないが、これは正しいと思う。特にフィールドレコーディングでは、人間が判断しなければならない場面が多々ある。カメラに例えるならフォーカスエイドのようなものだ。
このR-26片手に調布飛行場へ出かけたところ、ある問題が発生した。ほぼ無風に感じられても、ウインドノイズが入ってしまうのだ。本体のオマケにウレタン製のマイクカバーも付いてくるが、これも人が感じる程度の風が吹くと役には立たない。
そこでウインドスクリーンとキャリングケース、そしてストラップがセットになった「OP-R26CW」(6300円也)をまたしても自腹購入。見た目はロシア人の帽子みたいにモフモフしているが、これがなかなか優れものだ。木の葉が舞う程度の強風になるとさすがに厳しいが、ウインドノイズがほぼおさえられる。高域のロスもほとんど感じられない。ただし、このウインドスクリーン、最初は抜け毛が多いので気を付けたほうがいい。
さらに予想外に便利だったのが、キャリングケース。ホルスター型のケースは、表面がマットな素材でコーティングされているためか、本体を持った時の「カサカサ」というハンドノイズを防げる。これで手持ち録音もOK。そのホルスター型のケースの上に、ウインドスクリーンを収めるポケット付きのアウターカバーをかぶせる仕組み。ポケットにはイヤホンも収まるので便利だ。
ただ難点もある。R-26にも他のハンディレコーダー同様、背面に三脚のネジ穴が開いているのだが、ケース側の穴が小さくて手持ちの三脚は付かなかった。でも、このケースを付けると「デンスケ感」のようなものが高まり、モノとしての魅力は格段にアップする。