CEATEC 2011会場では、無接点充電規格「Qi」(チー)の規格化団体「Wireless Power Consortium」(WPC)がブースを出展。Qi規格に対応する機器が多数展示され、小さなスペースに多くの来場者がつめかけていた。
2010年のCEATECでは、参考展示に留まっていたQi対応携帯電話機だったが、今年はすでに、NTTドコモのスマートフォン「SH-13C」がQi規格に準拠した充電機能を標準搭載するなど、対応機器が市場に出回り始めてきている。
名前を聞いたことがある人は多くても、まだまだ身近とは言えない非接触充電だが、いよいよ本格的に普及し始める時期が来たようだ。WPCブースに展示されていたQi規格対応機器をチェックしてみよう。
まずはパナソニックが発売したQi対応充電パッド「Charge Pad」。家電量販店の店頭などでも見かける製品で、目にしたことのある人も少なくないだろう。オプション機器として、リチウムイオン充電池を内蔵したモバイルバッテリーや、充電式の乾電池「充電式EVOLTA」を充電できる「充電機能付きキャリングケース」なども出展されていた。
Charge Padは「ムービングコイル方式」と言い、充電パッド上に置かれた対応機器の位置を検出して、機器の位置まで送電コイルがパッド内を移動するという方式をとっている。機器と送電パッドは場所を揃えないと正しく充電できないが、この方式ならばユーザーは置く位置をあまり気にしないですむというわけだ。
Charge Padは送電コイルが動くという凝った仕組みの機器だが、一般的な充電パッド製品は、Qiマークの上に対応機器を置いて充電するという単純な仕組みを採用している。同時に複数台の機器を充電できる充電パッドもある。変わり種では、Qi準拠の送電パッドを内蔵した充電テーブルという展示もあった。パナソニックが参考出展していた機器では、大きな円形テーブルに太陽電池パネルを内蔵し、太陽電池で発電した電力で充電できるという「ソーラーテーブル」が目を引いた。実用性はともかく、内蔵してしまえばそこが充電台になるというコンセプトは面白い。
Qi対応機器の中でも注目なのは、携帯電話機に付けるストラップサイズの充電アタッチメントだ。会場にはスマートフォン用のMicro USB端子タイプと、FOMA携帯電話機などのコネクターに合わせたタイプの2種類が展示されていた。これをQiの充電機能を持たないスマートフォンに付けておけば、Qi対応充電パッドで簡単に充電できるというわけだ。
WPCではNTTドコモの協力を得て、2011年9月から2012年3月まで、全日空の空港内ラウンジや東宝系のシネコン、レストランやマッサージ店などにQi対応のワイヤレスチャージャーを設置するキャンペーンを行なっているという。アタッチメントにはこうした場でお目にかかれるようだが、無接触充電の手軽さを体験できるアイテムだけに、ぜひとも一般向けに販売もしていただきたいものだ。
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