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これこそゲーム用テレビの集大成

東芝レグザ「ZP2」 ゲーム機能の実力を徹底的に試してみた

2011年09月26日 11時00分更新

文● 鳥居一豊 撮影●篠原孝志(パシャ)、ASCII.jp編集部

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PS3のフルHDゲームで、その高画質の実力に感動!!

 続いて、PS3のハイビジョン画質で楽しめる高画質ゲームを試してみよう。こちらはコナミの名作ゲーム「メタルギア・ソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」。がむしゃらに敵を殲滅していくタイプのアクションゲームとはひと味異なり「なるべく敵に見つからないように潜入していく」ゲームだ。

「メタルギア・ソリッド4」で選択できるゲーム画面サイズは、「ゲームフル」、「ゲームノーマル」と「Dot By Dot」。1080p出力なので、720p出力のゲームのように黒幕が表示されることなく、「Dot By Dot」でフル画面表示が可能だ

 このゲームは、高画質が売りのPS3用のゲームとしてもあまり数が多くない1080p出力のタイトル。そのため、もともと画質は極めて優秀だ。一般的なゲームと違って、派手な色彩を抑えめにしたリアルな色彩は映画を見ているようだし、周囲を警戒する敵兵の傍らを匍匐前進で見つからないように突破する緊張感が映像を見ているだけで伝わってくる。

 個人的にこうしたゲームは、少々じれったい感じがあって敬遠していたのだが、本作には夢中になった。

 ゲームに慣れてくると、敵に見つからないようにするだけでなく、背後に忍び寄って気絶させたり、空になったマガジンを投げるなどのアクションで注意を逸らして警戒網を突破するといったさまざまなアクションができ、潜入のためのルート探しやその場に応じた潜入方法を見つけるといった面白さの虜になってしまった。

映像メニューは、ゲーム用だけでなく、映画プロやテレビプロといったモードに切り替えることもできる。「メタルギア・ソリッド4」のような高画質な映像のソフトは「映画プロ」などの画質で楽しむのも一興

 それがより高画質になるとどう違うのか。まず、ゲームへの没入度が大きく変わってくる。自分が操作しているプレイヤーキャラクターである、オールド・スネークにどこまで感情移入できるか、それを左右するのが画質だ。

 個人的な印象としては、ゲームモードは明るくコントラストも高めで、輪郭もくっきりと再現するメリハリの効いた画質傾向になるので、映画のような雰囲気で楽しむならば、「映画プロ」などのモードの方が雰囲気は出る。

 よほどやりこんだプレーヤーでもなければ、遅延の影響もあまりないと思うので、ゲームモード以外の画質モードを選ぶのもアリだと思った。

ゲームのオプションで調整できる「ブライトネスコントロール」。明暗がはっきりと再現されるように調整する

画面サイズの微調整もゲーム側で可能。すべての情報が表示されるようにきちんと設定しておきたい

 逆に、画質モードに関わらず、きちんと調整すべきなのが、明るさの再現。「メタルギア・ソリッド4」は暗いシーンでプレイすることも多いし、敵に見つかるのを避けるため、わざわざ日陰の暗いシーンを好んで進むようにもなるので、暗部の再現性は重要だ。

 液晶テレビでは黒の引き締まった感じを演出するため、黒に近いグレーを黒く潰してしまう画作りもあるが、こうした画質傾向のテレビではゲームがプレイしづらくなる。ゲームのオプション画面で明るさ調整ができるので、きちんと暗部の再現ができるように調整しておこう。

 ZP2のゲームモードでは、標準状態のままで暗部はしっかり再現できており、特に調整の必要はなかった。このあたりを含めてもゲームモードは、プレイに重要な視認性の良さを重視したモードと言える。

 また、一般的に家庭用のテレビは送られてきた映像信号をほんの少し大きく拡大して表示するオーバースキャンを行なっている。そのため、画面の周辺のわずかな情報が切り落とされてしまうことになる。これについてはゲームソフト側で調整することもできるが、ZP2はDot by Dot表示が選べるので心配は不要だ。

「レゾリューションプラス」のオフ(左)とオート(右)を比較。石畳の模様が鮮明になっているなど、映像がより緻密になっているだけでなく、暗部の再現性まで改善されている

 もともとフルHDの高画質であるだけに、超解像技術も必要がないと思われる人もいるかもしれないが、むしろフルHDのゲームのほうが超解像技術の効果は絶大だった。精密に描かれたテクスチャーがより緻密に再現され、映像がリアルに感じられる効果も大きいが、影が落ちて暗くなりがちな暗部もすっきりと見通しよく再現された。

 テレビ放送や映画のようなコンテンツを高画質なテレビを見ると、作り手が映像に込めたメッセージなど、さまざまな発見がある。作品によってはそれまでの印象が変わってしまうような体験をすることがある。それは最新のゲームでも同様だと実感した。

 それに加え、PSPのような低解像度のゲームでも大画面でも粗が目立ちにくい映像として表示する技術を、ゲームには不可欠な低遅延と両立したのは素晴らしい。ゲームを快適にプレイでき、しかもコンテンツを味わい尽くせる表現力を備えるZP2は、改めてゲームには最高のテレビだと思う。

 11月にZP3シリーズが加わることで、サイズバリエーションも広がるので、より大画面を望む人にもおすすめできるようになったのも嬉しいところだ。

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