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秋の夜長にいい音を楽しむヘッドフォンアンプ選び 第3回

ヘッドフォンアンプ自作で安価に高音質を目指す

2011年09月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊、行正和義

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ヘッドフォンアンプ組み立てキットで
自作の世界を体験してみる

持ち歩きに使えるほど手頃なサイズで、操作部はメインスイッチ兼ロータリーボリューム1つのみとシンプル。オーディオ系の自作キットといえば真空管アンプなども定番だが、趣味性こそ高いものの、なかなか普段使いにはしにくい真空管アンプと比べて、この手軽さと実用度の高さは捨てがたい魅力だ

今回組み立てたポータブルヘッドフォンアンプ。電池駆動で持ち歩きに使える。操作部はメインスイッチ兼ロータリーボリューム1つのみとシンプル。オーディオ系の自作キットといえば真空管アンプなども定番だが、趣味性こそ高いものの、なかなか普段使いにはしにくい真空管アンプと比べて、この手軽さと実用度の高さは捨てがたい魅力だ

 さて、ヘッドフォンアンプの世界はこれで終わりというわけではない。音質を追求するユーザーは、自分の好みのパーツ(アンプやコンデンサー)を選んでヘッドフォンアンプを自作してしまったりもする。

 初心者が最初から自作するのは正直難しいが、秋葉原のパーツショップなどでは自作キットが売られており、興味のあるユーザーはそこからはじめてみるがオススメだ。

 そこで最後に、秋葉原の秋月通商で売られているポータブルヘッドフォンアンプキットを実際に組み立ててみた。

ポータブルヘッドフォンアンプキットはこのようなビニール袋に入って売られている

ポータブルヘッドフォンアンプキットはこのようなビニール袋に入って売られている

 前回、前々回で紹介した通り、ヘッドフォンアンプは数千円から数十万円という価格差があり、こだわりはじめると価格的には青天井になる。そのあたりはいかにもオーディオ機器らしいが、秋月のキットならば4200円で購入できる。

内容は部品ごとに小分けされている。右側のアルミ外箱は別に購入することもできるので、適当なプラ箱でいいやという人は基板と電子部品だけでいい

内容は部品ごとに小分けされている。右側のアルミ外箱は別に購入することもできるので、適当なプラ箱でいいやという人は基板と電子部品だけでいい

内容物はこんな感じで非常にシンプル

内容物はこんな感じで非常にシンプル

 このキット自体は基板むき出しで電池ボックスも取り付けられていない状態だが、専用のアルミケース(2400円)を購入することで一応形にはなる。

 もちろん市販品でもこれよりも安いものもあるが、それなりのOPアンプ(バーブラウン社製のOPA2353UA)や電解コンデンサーを採用しており、市販品なら1万円を超えるようなスペックのポータブルヘッドフォンアンプが6600円で入手できるというお得感も魅力のひとつだ。

 この種のキットの常として、購入した袋の中には部品がバラで入っている。キットなのだから当然とはいえ、電子・電気部品がバラで来ると初心者にとってはなかなかなじめないだろう。

 また、マニュアルも「電気工作はできて当然」な人を相手にしているところがあるので、タミヤやバンダイのプラモデルのような分かりやすさは求めないほうがいい。

基板の裏面。チップや表面実装部品があらかじめ付いているので、ハンダ付けしなくていいのはありがたい

基板の裏面。チップや表面実装部品があらかじめ付いているので、ハンダ付けしなくていいのはありがたい

基板の表面。ハンダ付けしなくてはいけない部品のところにマークが印刷されているので迷わない

基板の表面。ハンダ付けしなくてはいけない部品のところにマークが印刷されているので迷わない

 とはいえ、本キットはOPアンプなど電子的な部品はあらかじめ基板に表面実装されていて、基板以外の部品といえば、可変抵抗(メインスイッチ兼ねる)とLEDが1つずつ、コネクターと電池ボックスが2つずつ、電解コンデンサーが4つと計10個のパーツがあるだけだ。

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