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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第81回

iPhone・iPadのメディアファイルを外部ストレージに保存する技

2011年09月13日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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パーティから秘密ファイルの管理まで活用法は幅広い

 Wi-Driveに3台の端末から同時にアクセスできるのも大きな特徴だ。友人達とiPhoneで写真を見ようとすると、せいぜい1人か2人しかのぞき込めない。しかし、Wi-Driveアクセスポイントに接続してもらえば、みんなで楽しめる。Wi-Driveアプリではファイルを端末に取り込めないので、勝手にファイルをコピーされる心配もない。また、3人同時にアクセスしても、写真や動画の表示速度はほとんど変わらなかった。

自分の端末で再生してもらう

 逆に、人に見られたくないメディアファイルの保管庫として利用する手もある。端末の中に入れてパスワードをかけるアプリがあるが、ほかの人に見られた場合、そのアプリの存在自体が怪しい。クラウドに保存するにしても、万一不正アクセスされたら致命的だ。昨今は企業側からアカウント情報が流出する事件がたびたび起きているので、安心できない。Wi-Driveはプライベートなデータを管理する有力な選択肢となるだろう。

 プライベートファイルを保存するなら、暗号化キーの設定は必須だ。WEPやWPA/WPA2/WPA2Mixedに対応しているので、アプリから設定しよう。設定後は1分後に再起動し、有効になる。「Visibility Status」をOFFにすれば、SSIDを一覧に表示しなくなるのでさらに安全になる。iPhone/iPadからアクセスする際は、ネットワークの一覧から「その他」をタップし、名前に「Wi-Drive」と入力すればいい。

歯車のアイコンをタップして「Wi-Drive Settings」を開く

「Security」をタップして、暗号化方式を選択する

 バッテリー駆動時間は4時間と、iPhoneやiPadよりは短いものの、外部ストレージをずっと使い続けることもないだろう。利用頻度の高いファイルは端末内に保存すればいい。1つ気になったのが連続利用していると、Wi-Driveの上部が熱を持つこと。衣服のポケットに入れて使うのはつらいかもしれない。この点は、テスト機だからなのかもしれないので、発売後の製品をチェックしてみたい。

 iPhoneやiPadユーザーにとって、Wi-Driveは非常にオススメできる製品だ。容量が余っている人ならともかく、同期するデータをやりくりしているなら、即購入していいだろう。写真や動画、BGM用の楽曲ファイルなどはすべてWi-Driveに保存してしまえばいい。その分、iPhone/iPadの本体にアプリをたくさんインストールしたり、大容量PDFファイルを保存すればいい。

 実売価格は16GBモデルが9800円、32GBモデルが1万4800円。iPhone/iPadの16GBモデルと32GBモデルの価格差は8000~1万1000円なので、コストパフォーマンスとしても悪くない。筆者は、16GBモデルを2台購入することを検討している。リビング用とプライベート用に使い分けるためだ。そうなると、本体カラーがブラックのみというのが惜しまれる。メーカー様、ぜひホワイトモデルも出してください。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。


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