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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第75回

ThinkPad X1開発者インタビュー

開発陣に聞く ThinkPad X1が「ThinkPad」である理由

2011年09月08日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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ThinkPad X1

 連載70回にてレビューしたレノボの「ThinkPad X1」は、これまでのThinkPadとはちょっと違う存在に感じる。同社の大和研生まれらしいハードウェアへのこだわりに加えて、デザイン面はよりコンシューマーへのアピール力の高いアレンジが加えられている。

 新たなフラグシップとして生まれたX1は、どのような狙いから作られたものなのだろうか? レノボ担当者に聞いた。今回お話しいただいたのは、レノボ・ジャパン製品事業部の土居憲太郎氏と、同製品開発統括担当の田保光雄(たぼ みつお)氏である(以下敬称略)。

土居憲太郎氏(左)と田保光雄氏

若い企業人にも支持される「新しいThinkPad」へ

 インタビューの前に、ThinkPad X1の概要についておさらいしておこう。すでに本連載でもレビューを掲載しているが、X1は13.3型ディスプレーを採用した薄型・1.69kgのボディーに、標準電圧版のCore iシリーズを搭載した製品だ。ディスプレー部をコーニング社の特殊硬質ガラス「ゴリラガラス」で覆い、今までのThinkPadに比べると、よりカジュアルな雰囲気になった。

お詫びと訂正:掲載当初、ディスプレーサイズを14型と記載していましたが、正しくは13.3型でした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2011年9月9日)

 だからといって、ThinkPadが「IdeaPad」のようなコンシューマー向けブランドになってしまったわけではない、と土居氏は話す。

次世代のThinkPadを作る上で、コンシューマー向け製品で学んだ部分を多少採り入れた(土居氏)

土居「X1はまったく新しい製品。間違いなく、ThinkPadのフラグシップという位置付けです。ですから、ThinkPadのネーミングルールからも離れました。従来なら、ディスプレーのインチ数の“1の位”の値が、ネーミングの“100の位”になっていましたよね? 『T420s』とか『X300』のように。しかし新しい製品ということを強調したかった。だから『X1』。“1からスタートした”製品ということです」

「デザインからキーボードレイアウトも含めて、ほとんどの部分を新しくしています。しかし『企業ユーザー向けのThinkPad』から逸脱したものを作ったつもりはありません」

「特にアメリカ市場では、企業向けであっても社内のディシジョンメーカー(選択の際の意志決定者)の年齢が若くなっています。彼らから見ると、ThinkPadの“7列配置”キーボードは古いものに見えるようです。また本当の初心者から見ると、7列キーボードはキーの数が多いので、『私たち向きではない』と感じられる向きも多いようです。そこで次世代のThinkPadを作る上で、コンシューマー向け製品で学んだ部分を多少採り入れた、ということです」

X1の6列キーボード(左)と、オーソドックスなThinkPadの7列キーボード(X201 Tablet)

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