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プロジェクトを成功へ導く、Webサイトの現状分析

2011年12月07日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 サイトリニューアル時の企画立案・戦略策定において、Webサイトの把握の次に実施するのが「現状分析」です。現状分析によって、既存サイトの課題点や効果をあげている点を抽出できます。

 Webサイトの分析にはさまざまな手法がありますが、重要なのは現状の姿から将来のWebサイトの位置付けや方向性を見出すことです。

 「分析」というとネガティブな側面に目が向きがちですが、効果をあげている点についても適切に評価し、新サイトでも活かすようなリニューアル方針を立てることが、よりよい結果につながります。

さまざまな分析手法

 現状分析では、目的によってさまざまな手法が用いられます。

 サイト全体の評価に有効なのが、「ベンチマーキング」による評価です。リニューアル対象のサイトと同業種の競合サイトとを比較・評価する手法で、SEO(検索エンジン対策)、ユーザビリティ、コンテンツなどのさまざまな観点から比較し、既存サイトの問題点や優れた点を浮き彫りにします。

 一般的な評価が難しいユーザビリティに特化した手法としては、専門家による「ヒューリスティック評価」があり、情報構造・画面設計上の課題を抽出できます。

 コンテンツの効果測定や追加ページの検討をするには、「アクセス解析」が適しています。アクセス解析は、Webサイトで取得できるアクセスログを元に、訪れたユーザーの行動を分析します。

 このほか、実際のユーザーの動きを知り、問題点を発見する「ユーザーテスト」、ある程度具体的な課題が見えている場合に、特定の設問から解決法を導き出す「アンケート調査」などの手法があります。これらの分析手法によって、ユーザーの視点・利用実態をより客観的に捉えられます。

分析時の注意点

 実際にはこれらの分析は単一ではなく、複数の手法を組み合わせて実施します。経験則に基づく勘だけではなく、アクセス解析などの定量的なデータも不可欠です。定量・定性の両面から検討し、問題や課題を発見することで、最良の改善方針を導き出し、現状のWebサイトで今何が足りないのか、追加検討すべきコンテンツは何か、構造的な欠陥はないかなどを発見していきます。

 収集したデータはただ蓄積するだけではなく、解析して課題や効果の検証をして初めて意味のあるものになります。リニューアル時だけの一時的な分析だけではなく、データの継続的な測定・分析によって、次回のリニューアル方針を検討する際の資料にもなります。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。

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