このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

山谷剛史の「アジアIT小話」 第4回

スマートフォンの波がタイや東南アジアにやってくる!

2011年09月06日 12時00分更新

文● 山谷剛史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

通信端末を実用的に捉えているタイのユーザー

携帯電話ショップはPCショップより人気

携帯電話ショップはPCショップより人気

スマートフォン売り場も人気だ

スマートフォン売り場も人気だ

 フォーチュンタウンやITスクウェアでは、ノートPC以上に携帯電話、特にスマートフォンの人気が急上昇中だ。携帯電話フロアとPCフロアでは人口密度が明らかに違うことが感じられる。統計で見ても、携帯電話の普及はPCの普及よりもずっと速いスピードで進んでいる。

 前ページでは何度も「タイのIT普及の流れが中国のそれにそっくりだ」ということを書いたが、スマートフォンについてはちょっと事情が違う。中国人はPCなりスマートフォンなりが登場すると、メンツを満たすためにとりあえず見映えのいいものを購入し、購入後はネットカフェの利用実態のように、とにかくゲームをインストールしたり、音楽動画をダウンロードしたりと、エンタメマシンとして使う傾向がある。

 メンツを満たすiPhoneは大人気で「iPhone以外はスマホにあらず」といった雰囲気すらある。

 タイのユーザーも、特にバンコクにおいてはメンツが絡んでくるが、しかし中国よりも実用主義だ。iPhoneがナンバー1人気ではあるが、タイで今最も人気なサイトはFacebookであるため、BrackBerryもなかなかの人気。

高架鉄道「BTS」ではスマートフォン利用者をよく見かける

高架鉄道「BTS」ではスマートフォン利用者をよく見かける

地下鉄内では電話する人々もちらほら

地下鉄内では電話する人々もちらほら

 バスよりずっと高価な移動手段の地下鉄や高架鉄道(BTS)に乗ると、スマートフォンやタブレットでFacebookを利用する人に少なからず出会うだろう。

携帯電話でチャットが人気

携帯電話でチャットが人気

フルキーボードのスマートフォンの人気ぶりがわかるショップ

フルキーボードのスマートフォンの人気ぶりがわかるショップ

タイメーカー「i-mobile」のラインナップ。キーボード搭載のスマートフォンが多い

タイメーカー「i-mobile」のラインナップ。キーボード搭載のスマートフォンが多い

 中国よりもQWERTYキーボード搭載の携帯電話(スマートフォン含む)で、ショートメッセージを送ることがメジャーになっていることもあり、将来BrackBerryなどのQWERTYキーボード搭載のスマートフォンのシェアは高まり、FacebookなどのWebサービスをモバイルで使いこなす人が結構増えるのではないかと思われる。

 タイでスマートフォンの人気が急上昇中と書いたが、東南アジア全体で売れているようだ。GFK Asiaによれば、東南アジアにおいて(メンツを満たしきれない)Androidスマートフォンの販売台数が32万7000台(2010年Q4)から57万9500台(2011年Q1)へと急激に伸びてきているという。

ニールセンによる東南アジア各国の消費者のスマートフォン購入の意向

ニールセンによる東南アジア各国の消費者のスマートフォン購入の意向

 またニールセンのアンケートによれば、東南アジア各国で多くの人々が「1年以内に多分スマートフォンを買うだろう」と回答している。

 来年末あたりにはどれだけ世界でスマートフォンユーザーがいるだろうか。そしてインターネットユーザーがどれだけ増えるのだろうか。今から楽しみだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン