昨年、タイのインターネット人口が2000万人を突破したそうだ(タイ国立科学技術開発庁調べ。今年5月発表)。人口は6600万人なので、大体3割が利用していることになる。
地域別のパソコン普及率は首都バンコクで高く45.8%、他の地域では3割弱の普及率となっている(タイIIR調べ、2009年)。
日本ではWindows 95とインターネットがPC普及のキーとなったが、タイでのPC普及やネットの普及は2000年代に入ってから。これは中国におけるPCやネットの普及のタイミングと同じである。
そこで、中国での当時の状況を振り返ると、誰もが毎年給料が増加し、物価もインフレになる中で、IT製品はより安く、よりいいものが出てくるため、子供向けを含む家族への投資として購入する家庭が増えていった。タイも似たような状況であろう。
一方でPCの低価格化により、ネットカフェが首都バンコクや地方都市で増え続けた。ネットカフェが中国同様にゲームで遊んだり音楽動画を視聴したりするための定番の娯楽場所となった。
タイの電脳街はノートPCばかり
バンコクの中心部にある最も著名な電脳ビル「パンティッププラザ」においては、2000年代前半はPCパーツやショップブランドPCを販売する店だらけだったが、今やどこもかしこもノートPC販売店ばかりになってしまった。
でもって、ノートPCばかりが売られるようになったのも近年の中国の電脳市場とかぶる。アジアの電脳街ばかりを見ていると、デスクトップPCとノートPCそれぞれが別々の付加価値を与えられ共存している日本のPC市場やPCショップの方がガラパゴスなのではないかと思えてくる。
タイ旅行に行く読者は、興味があればぜひバンコクの電脳街に行ってみて欲しい。街の中心にある「パンティッププラザ」や、地下鉄「ラーマ9世駅」駅前の「フォーチュンタウン」、国鉄「ラックシー駅」駅前の「ITスクウェア」はいずれも規模が大きい。
中はエアコンが効いていて涼しく、地元民向けのタイ飯が食べられるフードコートもあり、ゆっくり電脳市場ウォッチを楽しめる。特にフォーチュンタウンとラックシーITスクウェアはバンコク市民が利用する観光地色の薄い場所なのでお勧めだ。
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