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データセンターネットワーク設定の自動化を目指す

その48時間を短縮する!Avaya VENAの第3弾はToRスイッチ

2011年08月30日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 8月26日、日本アバイアはデータセンター向けの仮想化アーキテクチャ「Avaya VENA」に対応した新製品を投入した。ボックス型のトップオブラックスイッチと、仮想サーバーのネットワークを自動化するツールが投入された。

 

VENA対応のToRスイッチと設定ツール

 冒頭、新製品を紹介した日本アバイアのソリューションマーケティング部 データソリューションマネージャー 山中幸代氏は、データセンターネットワークで展開や設定変更にかかる時間について言及した。「あるお客様では、ミニマムでも48時間かかる。しかもネットワークのコアを停止できるのは年に数回、人為ミスが原因の37%という調査もある」と指摘。設計で12時間、コンフィグ16時間、変更管理に20時間かかるという、48時間の内訳を明らかにした。

 

日本アバイアのソリューションマーケティング部 データソリューションマネージャー 山中幸代氏

 こうした課題に対して解決策を提示するのが、アバイアが昨年発表した「Avaya VENA(Virtual Enterprise Network Architecture)」である。Avaya VENAはデータセンターを対象とした仮想化アーキテクチャで、ファブリック技術の「Virtual Services Fabric」、仮想ネットワークの「Virtual Services Network」、そして対応製品と管理ツールなどで構成されている。

 このうちVitrual Services Fabricにおいては、L2のマルチパスとトンネルを構成するための技術として、Shortest Path Bridgingを採用している。Shortest Path Bridgingは、IEEE802.1aqとして標準化を進めているもの。VLAN内にVLANを作る「Q-in-Q」とEthernetフレーム内にEthernetフレームをカプセル化する「MAC in MAC」(IEEE802.1ah)などのEthernet技術をベースに構成されている。

 

Shortest Path BridgingによるVitrual Services Fabric

 今回発表したAvaya Virtual Services Platform 7000(VSP 7000)は、このVENAに対応したトップオブラック(ToR)スイッチ。7024XLSは24ポートを搭載しており、拡張用のスロットが用意されており、Media Dependent Adaptorというモジュールを追加できる。

会場に設置されたAvaya Virtual Services Platform 7000(VSP 7000)

 ネットワークの可視化と管理を実現する「Avaya Virtualization Provisoning Service(VPS)」も提供される。仮想サーバーに最適なネットワークのプロビジョニングを自動で行なえるのが最大の特徴で、仮想マシンの移動やプロビジョニングの履歴も管理できる。山中氏は、「エッジのスイッチを変更するだけで、コアも含めて透過的な仮想ネットワークが構築できる。アプリケーションの導入時間も大幅に短縮できる」と説明。当初はVMwareをサポートし、今後はXenやHyper-Vにも対応する予定となっている。

 

ToRスイッチとともに設定を簡素化する

VEPAやDCBなどの標準技術を用いる

 続いて、システムエンジニアリング部 システムエンジニアリングマネージャーの日野直之氏が、Avaya VENAによるデータセンターのネットワーク展望について説明した。

 

システムエンジニアリング部 システムエンジニアリングマネージャーの日野直之氏

 データセンターネットワークの課題として、信頼性の高いライブマイグレーションを実現するレイヤ2のマルチパス、物理ネットワークに依存しない仮想ネットワーク、場所にとらわれないEthernetストレージへの対応などを挙げた。これをAvaya VENAは標準技術に乗っ取って、これらのニーズを満たすデータセンターネットワークを段階的に拡充していくという。

 

 ステップ1ではSPBでWAN越しのL2マルチパスを実装し、ステップ2ではそれをデータセンター内のスイッチにまで拡張する。これがToRスイッチを投入した現在の状況だ。「WAN越しだけではなく、データセンター内までVSP 7000を使うことで、SPBという1つの技術でエンドツーエンドでマルチパスを実現できるようになっている」(日野氏)。

 

ステップ3ではAvaya VPSでの自動プロビジョニングを実現する

 次にVEPA(Virtual Ethernet Port Aggregator)と呼ばれるIEEE802.1Qbgを用いてAvaya VPSによる自動プロビジョニングを実現。仮想ネットワークの自動構成が可能になるほか、データセンター間でWAN越しのライブマイグレーションも実現する。ステップ4ではFCoEストレージを参加させ、エンドツーエンドでDCB(DataCenter Bridging)に対応したマルチパスネットワークを実現させる計画だ。

 

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