昇れるのは当たり前、今後はその先が重要になってくる
競技会終了後に行なわれたトライアル走行会では、競技で記録を出せなかった4th Laboratory、神奈川工科大学吉野研究室、神奈川大学江上研C、同D、阿南工業高等専門学校、静岡大学SATT、といったチームがほぼ無事に昇降を行なった。もはや「昇れない」クライマーはほとんどない。ローラーで空中にぶら下がるケーブルを昇降するという基本はすでに確立されつつあると感じさせた。
競技用走路であり、宇宙エレベーターそのもののひな形である、バルーン掲揚によるテザーシステムも無事に580mの高さまで上昇させることができた。3年目の大会を無事に終え、日本で宇宙エレベーターというものにエネルギーを注いでいる(ちょっとおかしな)人たちがいることも、わずかながら認知が進んだのかもしれない。来年は、目標1200mとなる。新たな参加者と広がりを望みたい。
- 対環境賞
- 神奈川大学 江上研A(ベルト)
薄く折り目が重なるベルトテザーという過酷な条件の中で、最も高くまで昇降したことを評価 - 信頼・安全性賞
- チームAquarius(ロープ)
自動制御式クライマーとして、トラッキングコントロールをハード・ソフト共に実現したことを評価 - 多機能賞
- チーム奥澤(ベルト)
圧倒的に豊富な機能を見せた点を評価 - 制御賞
- 日本大学 青木研プラス(ロープ)
初回の失敗を乗り越えて機体の制御を実現したことを評価 - 総合第1位
- チームアクエリアス
昨年のカナダ、サスカッチュワン大学の記録を塗り替え、世界最速の昇降を果たし、540mの高度まで昇降も実現した - 総合第2位
- チーム奥澤
ベルトテザー競技の条件が非常に悪い中、暫定ではあっても参加者の新しい目標となる成績を残した - 総合第3位
- 日本大学 青木研プラス
高度450mの昇降を実現し、またプレゼンテーションでも好成績をおさめた