本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
仮想「x86環境」の隆盛
Intelアーキテクチャへ移行してからというもの、OS Xユーザーに一躍人気となったソフトのカテゴリーがある。OS X上で他のOSを動作させる、いわゆる「仮想化ソフト」だ。「Parallels Desktop」に「VMWare Fusion」、そして「VirtualBox」といった仮想化ソフトは、いずれも容易にWindowsなどx86向けOSを動作させることができる。PowerPC時代は、x86のコードをPowerPCのコードへと変換しなければならず、それが実機にはほど遠いパフォーマンスの原因となっていたが、いまや実機に近い速度で動作する。
しかし、何がなんでも仮想化ソフトということはないはず。Windowsのような高い処理能力を要求するOSはともかく、MS-DOSやX Window SystemなしのLinuxなど、比較的軽い負荷で動作するOSであれば、より手軽な選択肢が存在するのだ。
それが「Google Chrome」。先日公開されたバージョン14(ベータ版)では、ついに「Native Client」(NaCL)が標準装備された。かいつまんでいうと、このウェブブラウザーを使えば、あっ気ないほど簡単にDOSの機能を使うことが可能だ。
NaCLは、いわばChorme上に実装された「CPUネイティブコードの処理系」だ。Chromeにはプラグインの形で提供されるため、ブラウザー画面上でセキュアに実行できるところがポイントとなる。NaCL対応のアプリケーション(これもウェブアプリの一種になるか?)は、CやC++で開発できるため既存のリソースを活用しやすく、OS XとWindows、LinuxというChromeが対応する環境であれば等しく動作する。
なお、ただChromeをインストールしただけでは、NaCLの機能は利用できない。以下の手順に従い、NaCLプラグインを有効化してほしい。
- Google Chrome(v14β)を起動し、URLバーに「
chrome://flags
」と入力 - 「ネイティブ クライアント」行の「有効にする」をクリックして、いったんChromeを終了する
- Chromeを再起動し、URLバーに「
chrome://plugins
」と入力 - 「Native Client」行の「有効にする」をクリックすると、NaCLの機能が有効になる
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