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節電節約! LEDで生活が変わる! 第3回

夏休みの工作に! LEDで偽札判定機や暗視スコープを作成

2011年08月19日 12時00分更新

文● 藤山哲人

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豆電球式の懐中電灯を
パワーLEDに替えてパワーアップ!

 市販されているLED式の懐中電灯は、フツーの砲弾型LEDを何個か使ったものばかり。これは乾電池を長持ちさせつつ、それなりに明るくするベストな開発アプローチだ。しかし、LED電球で使われているパワーLEDは、電気エネルギーの30%を熱としてロスしてしまうが、通常のLEDに比べ明るさがぜんぜん違う。が! そんなアフォな設計をしているLED式懐中電灯はお店じゃ売ってない。そこで電池をガンガン消費するが、ギンギラギンに光るパワーLED式の懐中電灯を作ってみることにした。

●パーツリスト

  • 3W出力白色ハイパワーLED/1個/秋月電子/250円
  • LED電球用レンズ/1個/秋月電子/100円
  • セメント抵抗3Ω/1個/千石電商/80円
  • ヒートシンク/1個/秋月電子/50円
  • 単1×4本式懐中電灯/1個/電気店など/1000円

1.豆電球の取り付け部分を改造

 パワーLED自体は薄型だが、熱を持つのためヒートシンクを取り付けたり、LEDに流れる電流を調整する抵抗をつける必要があるので、懐中電灯の豆電球ソケットが邪魔になる。そこでニッパーなどで、土台となる部分を整地してやろう。

改造前の土台は、豆電球向けなので凸凹。これをすべてカットして平らに整地する

ポイントはロック機構やスイッチ部分はキチンと残してやるところだ

2.配線は半田付けできないので金具に噛ませる

 懐中電灯は外で使うことが前提になっているので、スイッチなどに使われている金具は、さびないステンレス製。だから半田付けできないので、配線は金具の下に滑り込ませて噛ませるなどしよう。

半田メッキをした電線を金具の下に滑り込ませて、先をU字に曲げて脱落防止する

こちらはマイナス側の配線。同じように金具の下に滑り込ませて固定

3.パワーLEDをヒートシンクに取り付ける

 パワーLEDに電線を半田付けしてから、それをヒートシンクに取り付ける。順番を逆にすると、半田ごての熱がヒートシンクから逃げてしまうので、半田付けが難しくなるので注意! また、LEDのプラス・マイナスを間違えるとまったく点灯しなくなるので、極性にも注意しよう。

 パワーLEDとヒートシンクの固定は、ヒートシンクに2.5mmの下穴を開けて、M3ネジ用のタップで雌ネジを切ってやるのがベスト。3mm穴を開けてナットで固定してもいいけど、ヒートシンクのフィンに当たる場合があるの注意しよう。

パワーLEDの発熱量と相談しながら、適当な大きさのヒートシンクを用意すること。またCPUと同じで、シリコングリスを塗ってやるとなおいい

4.電池とパワーLEDの間に3Ωのセメント抵抗を入れる

 この抵抗は、LEDに流す電流を制限するものだ。パワーLEDによって流せる電流が違うので、オームの法則でそれぞれ計算して欲しい。ただ電圧は、単1×4本なので6Vなので、次の計算式で抵抗を求めよう。

〔抵抗値〕=(6V-〔順方向電圧〕)÷〔順方向電流〕

 〔順方向電圧〕はデータシートのVFという値で示されている。最小値のMinと標準のTyp、最大値のMaxが表示されている場合は、Typの値を使えばいいだろう。たとえば、VFのTypが3.3Vなら〔順方向電圧〕は3.3Vにすればいい。また〔順方向電流〕は、パワーLEDを買うと付いてくるデータシートにIFという値で示されているので、これをAに直した値を入れる。つまりIFが700mAなら、〔順方向電流〕は0.7にすればいい。

 これで(6V-3.3V)÷0.7Aを計算すると、3.85Ωとなるが、小数点以下が出た場合は、切り捨てした値の抵抗を買おう。ただし、〔順方向電圧〕にMaxを入れた場合は切り上げすること。こうしないと制限以上の電流が流れてしまう。

 抵抗には色々あるが、ここで利用するのはセメント抵抗と呼ばれるもの。またセメント抵抗には、同じΩ数でも電力に応じた数タイプが容易されているので、10Wタイプを選んでおくこと。

白いのがセメント抵抗。普通の抵抗に比べると、かなり大型なのが分かる。コイツも熱を出すので、できればヒートシンクに密着させておこう

5.パワーLEDを懐中電灯に取り付ける

 ヒートシンクに穴を開け、土台にネジで固定したら、懐中電灯に組み込む。

ヒートシンクに穴を開け、土台の樹脂にネジで固定する。ヒートシンクが小さすぎたり、発熱量の多いパワーLEDだと土台の樹脂が溶けてしまうかもしれないので、あらかじめどのぐらい熱を持つか調べておこう

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