モバイルブロードバンド通信の手段として急速に普及してきたのが、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」である。
提供されるサービスはデータ通信のみだが、下り最大40Mbpsの高速さとデータ通信料による帯域制限なしを謳い文句に、正式サービス開始からわずか2年であるが、モバイルユーザーに広く認知されるサービスに成長している。
さて、今回はこのUQ WiMAXのモバイルルーター「URoad-8000」と据え置き型ルーター「Aterm WM3400RN」を試用してみた。実はこの2台は、同社がオンラインショップで展開している「2台セット販売」のセット商品である。
WiMAXの2台セット販売とは?
UQ WiMAXは1つの契約で最大3つまでの受信デバイスを利用できる。これを利用して、外出時はモバイルルーター、自宅では据え置き型ルーターというような使い分けを提案したのが2台セット販売である。
2台利用するには機器追加オプションへの加入が必要。たとえば1年契約が前提の「UQ Flat年間パスポート」(月額3880円)に加入した場合、機器追加オプション(月額200円)を合わせた月額料金は4080円となる。
ただし、回線はあくまで1回線なので、どちらか一方を使用している時はもう一方は使用できない。このため、どちらの機器を優先的に使うかの設定も可能だ。
なお、2台セット販売の価格は、UQ Flat年間パスポート加入の場合、2台で9800円(期間限定価格)。ちなみにモバイルルーターを「AtermWM3500R」にすると6800円となる(こちらも期間限定)。
ポケットサイズのモバイルルーター
「URoad-8000」
URoad-8000はシンセイコーポレーション社製のモバイルルーター。ボディのサイズはタバコの箱よりもひと周りほど小さく、手にすっぽりと収まる。重量も98gと軽いため、胸ポケットに入れておいても存在感は気にならない。
ただし、厚さは20.4mmとそれなりにあるため、ジーンズのポケットだと座った際に多少の違和感を覚えるかもしれない。
サイズは小さいがバッテリーのスタミナはかなりのもので、カタログスペックで約9時間となっている。さらに給電はmicroUSBコネクター経由なので、PCや市販の増量バッテリーなどを併用することで簡単に連続駆動時間を延ばすことができる。タフネスさを重視する人には、このバッテリー駆動時間はかなり魅力的に映るだろう。
本体のインターフェイスは電源ボタンとWPSボタンの2つのみ。各種設定はWebブラウザーで本体IPアドレスを入力すれば行なえるので、本体側が電源オン/オフのみの操作でも問題ないと言うことだろう。
設定項目は特に高機能というわけではないが、Macアドレスフィルタリングやポートフォワードなど、ルーターとして必要なものは一通り抑えられているため、一般的な利用条件なら問題はないだろう。
本体に表示される情報は、バッテリー残量や電波感度状況、Wi-Fiの状態、WPSの4種類。多色LEDによるアイコン表示で、緑色であれば良好、以下、黄色、赤、赤点滅と順に状況が悪いことを示す。
視認性は屋内であればまったく問題ないのだが、太陽光が強い場所だと手をLED上にかざさないとLEDの色がわからない。屋外利用が多いモバイルルーターだけに、この視認性の低さはちょっとマイナスポイントだ。
また、電源を入れてWiMAX通信が確立するまでに40秒~1分ほどの時間がかかる。バッテリーを節約しようとしてこまめに電源のオン/オフをくり返すと、この時間が少々気になるところ。もう少し短くなるように改良してもらいたいポイントと感じた。
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