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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第211回

熱海猫撮り紀行その1――漁港で刺身を待つ猫

2011年08月05日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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朝の桟橋にて。指を出したらめんどくさそうにちょっとだけくんくんしてくれた。やはり猫を撮るなら早朝ですな(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

朝の桟橋にて。指を出したらめんどくさそうにちょっとだけくんくんしてくれた。やはり猫を撮るなら早朝ですな(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

 ある日突然「ゆきぴゅー」から電話がかかってきた。

 「おぎくぼさん、猫がたくさんいる場所を教えてもらったんですが、一緒に行きませんか?」

 「いくいく、もちろん行く」

 「でも朝7時くらいに行かないとダメなんだそうですの」

 「まあ、猫撮影は早朝が基本だからしょうがないね。もっと早くてもいいくらい。で、場所はどこ?」

 「熱海ですの」

 「へ?」

 「では、朝4時半に迎えに行きますね」

 「へ? へ?」

 かくして、日の出前に合流し、東京から熱海まで連れて行かれたのだった。ほんとに早朝から出かけたという証拠が冒頭写真。わたしの左手首の腕時計が6時半を指しているからね。

 ゆきぴゅーというのは「ゆきぴゅーのただでごはん」というコラムを書いてる古い友達で、今回の熱海行きもさっそくネタになってるのであった。素早すぎ。

 要するに、熱海まで連れて行くからコラムのネタになってね、という話なのだった。ああ。

 朝6時過ぎに到着したそこは熱海の小さな漁港。目の前には太平洋。後背には山肌に温泉街。まさに熱海である。

舳先に猫発見。望遠レンズに付け替えている隙に、ぷいと横を向かれてしまった。残念(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

舳先に猫発見。望遠レンズに付け替えている隙に、ぷいと横を向かれてしまった。残念(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

 狭い港に小さな漁船が数隻横付けされていて、舳先を見ると猫がゆらゆらしている。

漁船の後部を覗き込むと、2匹も隠れていたのだった。左の猫はウインクまで(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

漁船の後部を覗き込むと、2匹も隠れていたのだった。左の猫はウインクまで(2011年7月 パナソニック DMC-G3)

 目が合ったらととととと隠れてしまったので近づいてみると、2匹が船でゆらゆらしてたのである。船に猫はそれだけでよい。

 そっと近づいたら「なんだこいつは」という顔で2匹。

 この界隈に猫はたくさんいるが、この2匹だけが海も人も怖がらずにゆらゆらゆれる桟橋を渡ってくるらしい。

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