価格は高いが圧倒的な画質
マイコンソフト「XRGB-3」
マイコンソフトのXRGB-3は、価格が3万円以上と今回の中では高価である。それだけに入力端子も豊富だし、デジタル出力となるDVI端子を備えるなど、画質面でも大いに期待できる。
製品を見てみると、入力端子が多く、操作ボタン類も多めだ。本格的とも言えるが、AV機器が苦手な人には少々敬遠したくなるレベルだろう。まず面食らったのが、操作性があまりよくないこと。例えばリモコンの十字キーは何故かメニュー操作には使えず、別の場所にあるボタン(中央“メニュー”ボタンの右側に並んでいる2つのボタン)でメニューの上下左右の移動を行なうことになる。いちいちリモコンのボタン配置を確認しなければ操作できないのには苦労した。
操作のしづらさを克服すれば、機能的には充実しており、入力できる機器や出力解像度も豊富なため、接続するモニターを選ばず使えるだろう。もちろん、PSP用のズーム機能や、PCとAVソースの画面を同時表示するピクチャー・イン・ピクチャー表示も可能だ。
画質は価格が納得できるほどの優秀さで、DVI端子によるデジタル出力のメリットがきちんと生かされた高精細な映像だ。
ただし、明暗の再現や色再現のバランスはPC用モニターに合わせたものとなっているようで、明るさの再現や色再現には少々違いがあった。このあたりは、画質調整機能があるので、調整を加えたいところだ。
基本的な実力に関してはズバ抜けているので、画質調整の範囲内で十分なレベルの映像が得られるだろう。
SDソースの映像の表示では、まさにハイビジョン並みの精細感が得られており、これならば、DVDソフトなどの再生もかなり満足度の高い映像で楽しめるだろう。
続いてD端子ケーブルでPSPを接続して、出力したSD映像をチェックしてみたが、こちらもかなり優秀。滝の映像のMPEGノイズの除去もがんばっており、多少映像が甘いものの、見づらさは少ない。驚かされるのは階調性の豊かさで微妙な色の違いまできちんと再現する。
ゲーム画面でズームを行なっても、PSPの画面がそのまま拡大されたようなスムーズな映像になっている。もともとがSD以下の低解像度とは思えないスムーズな映像だ。テキスト表示を見ると、若干の色ズレが生じていることがわかるが、ほとんど気にならないレベルとなっていた。
リズムゲームのプレイでも遅延はプレイには支障のないレベルに抑えられていた。少々の遅延は感じるものの、身体が慣れてしまえば気にならなくなるレベル。テストしたゲームでもなんとか1回でクリアすることができた。
音質については、ほかと比べても際立った差は感じなかった。低音域が少々不足気味だが、元の情報はきちんと再現できている。不要なノイズなどが気になることも少ない。
画質のよさと入力端子の多さに脱帽
操作性にやや難がある点、そして一般的なテレビとの接続では使いにくいDVI出力という点が気になってしまうものの、価格が高いだけのことはある実力を発揮したと言える。
テレビを買い換えるのに比べれば十分リーズナブルなので、SDソースの高画質化に徹底的に取り組みたい人にはおすすめのモデルと言える。
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