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アプコンはロマンだ! DVDも携帯ゲームも大画面で楽しめっ!! 第1回

7000円から買える! PSPやWii対応の外付けアプコン対決

2011年08月01日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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価格は高いが圧倒的な画質
マイコンソフト「XRGB-3」

マイコンソフト「XRGB-3」

マイコンソフト「XRGB-3」

 マイコンソフトのXRGB-3は、価格が3万円以上と今回の中では高価である。それだけに入力端子も豊富だし、デジタル出力となるDVI端子を備えるなど、画質面でも大いに期待できる。

前面(上)には各種のセレクタースイッチや操作ボタンのほか、D端子や21ピンRGB端子を備える。背面(下)にも入力端子がびっしり。コンポジット、S映像、D端子とも2系統の入力があるので、AVセレクターとしても使用できる

付属のリモコンはサイズも大きめ。なぜか中央にある十字キーではメニュー操作が行なえないなど、操作性はイマイチ

付属のリモコンはサイズも大きめ。なぜか中央にある十字キーではメニュー操作が行なえないなど、操作性はイマイチ

21ピンのRGBマルチ端子をコンポーネント入力端子に変換するケーブルも付属する

21ピンのRGBマルチ端子をコンポーネント入力端子に変換するケーブルも付属する

 製品を見てみると、入力端子が多く、操作ボタン類も多めだ。本格的とも言えるが、AV機器が苦手な人には少々敬遠したくなるレベルだろう。まず面食らったのが、操作性があまりよくないこと。例えばリモコンの十字キーは何故かメニュー操作には使えず、別の場所にあるボタン(中央“メニュー”ボタンの右側に並んでいる2つのボタン)でメニューの上下左右の移動を行なうことになる。いちいちリモコンのボタン配置を確認しなければ操作できないのには苦労した。

操作メニューは基本的にテキスト表示。画質調整をはじめとする調整機能はひと通り備えている

操作メニューは基本的にテキスト表示。画質調整をはじめとする調整機能はひと通り備えている

出力解像度の設定も、PCモニター、テレビを含め、さまざまな解像度に合わせて選択できる

出力解像度の設定も、PCモニター、テレビを含め、さまざまな解像度に合わせて選択できる

 操作のしづらさを克服すれば、機能的には充実しており、入力できる機器や出力解像度も豊富なため、接続するモニターを選ばず使えるだろう。もちろん、PSP用のズーム機能や、PCとAVソースの画面を同時表示するピクチャー・イン・ピクチャー表示も可能だ。

色再現などが一般的なテレビ向けではなく、PC用モニター向けのせいか、ほかの製品とかなり印象が異なる。しかしながら精細感は圧倒的だ

色再現などが一般的なテレビ向けではなく、PC用モニター向けのせいか、ほかの製品とかなり印象が異なる。しかしながら精細感は圧倒的だ

かなりコントラスト感の高い印象になるが、黒に近い暗部の再現性はしっかりとしており、黒潰れもない。窓枠の格子のすっきりとした表示も立派だ

かなりコントラスト感の高い印象になるが、黒に近い暗部の再現性はしっかりとしており、黒潰れもない。窓枠の格子のすっきりとした表示も立派だ

田園風景もかなり明るめに再現されてしまうが、精細感の高さという点では、まさにハイビジョン並みと言っていいレベルになる

田園風景もかなり明るめに再現されてしまうが、精細感の高さという点では、まさにハイビジョン並みと言っていいレベルになる

 画質は価格が納得できるほどの優秀さで、DVI端子によるデジタル出力のメリットがきちんと生かされた高精細な映像だ。

 ただし、明暗の再現や色再現のバランスはPC用モニターに合わせたものとなっているようで、明るさの再現や色再現には少々違いがあった。このあたりは、画質調整機能があるので、調整を加えたいところだ。

 基本的な実力に関してはズバ抜けているので、画質調整の範囲内で十分なレベルの映像が得られるだろう。

 SDソースの映像の表示では、まさにハイビジョン並みの精細感が得られており、これならば、DVDソフトなどの再生もかなり満足度の高い映像で楽しめるだろう。

PSPでのSD出力映像。MPEGノイズなどの抑制機能も備えているようで、完全ではないもののノイズ感は少ない。映像もやや潰れ気味になる

PSPでのSD出力映像。MPEGノイズなどの抑制機能も備えているようで、完全ではないもののノイズ感は少ない。映像もやや潰れ気味になる

動きの少ない映像での精細感は優秀。色再現も全体に明るめになっているが、階調性や色再現も豊かだ

動きの少ない映像での精細感は優秀。色再現も全体に明るめになっているが、階調性や色再現も豊かだ

 続いてD端子ケーブルでPSPを接続して、出力したSD映像をチェックしてみたが、こちらもかなり優秀。滝の映像のMPEGノイズの除去もがんばっており、多少映像が甘いものの、見づらさは少ない。驚かされるのは階調性の豊かさで微妙な色の違いまできちんと再現する。

PSPのズーム機能を試す。左がズーム:オフで、右がズーム:オン。画面周囲の黒枠部分がなくなり、画面ぴったりに拡大される

ゲーム画面での文字表示の拡大図。文字のジャギー感もスムーズで、甘さをほとんど感じない。色にじみを多少感じるのが惜しいところ

ゲーム画面での文字表示の拡大図。文字のジャギー感もスムーズで、甘さをほとんど感じない。色にじみを多少感じるのが惜しいところ

 ゲーム画面でズームを行なっても、PSPの画面がそのまま拡大されたようなスムーズな映像になっている。もともとがSD以下の低解像度とは思えないスムーズな映像だ。テキスト表示を見ると、若干の色ズレが生じていることがわかるが、ほとんど気にならないレベルとなっていた。

 リズムゲームのプレイでも遅延はプレイには支障のないレベルに抑えられていた。少々の遅延は感じるものの、身体が慣れてしまえば気にならなくなるレベル。テストしたゲームでもなんとか1回でクリアすることができた。

 音質については、ほかと比べても際立った差は感じなかった。低音域が少々不足気味だが、元の情報はきちんと再現できている。不要なノイズなどが気になることも少ない。

画質のよさと入力端子の多さに脱帽

 操作性にやや難がある点、そして一般的なテレビとの接続では使いにくいDVI出力という点が気になってしまうものの、価格が高いだけのことはある実力を発揮したと言える。

 テレビを買い換えるのに比べれば十分リーズナブルなので、SDソースの高画質化に徹底的に取り組みたい人にはおすすめのモデルと言える。

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