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週刊 PC&周辺機器レビュー 第111回

Llano搭載のエントリーノート HP g6-1100の実力は?

2011年07月29日 12時00分更新

文● 池田圭一

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本体左側面。左からアナログRGB出力、有線LAN、HDMI出力、USB 2.0×2、マイク、ヘッドホン、2in1カードスロット。空冷ファンの回転音は程よく低減されている

左からDVDスーパーマルチドライブ、USB 2.0、電源コネクターを搭載

 本体右側面には、光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブ)と、USB 2.0などを装備。本体左側面にはディスプレー出力系やLANなどのコネクターを集約している。なお、この左側面にHDDアクセスランプと電源ランプがあるため、確認の際はいちいち頭を傾けなければならないのが困りものである。

 液晶ディスプレーは1366×768ドット表示の15.6型ワイド。「HDウルトラクリアビュー・ディスプレー」と称するパネルが使われている。最近の11型ワイド液晶ディスプレーでもこれぐらいの表示解像度はあるので、15型以上ならもう少し高解像度が欲しいところだが、視認性が高いのでよしとしよう。

Llano A4はCore i3-2310Mに対抗できるか?

 AMDのFusion APUは、CPUにグラフィックスコアを内蔵した統合プロセッサーである。中でも、6月に発表されたばかりのA4シリーズは、Direct X11に対応する「Radeon HD 6480G」を内蔵するという。A4-3300M(1.9GHz)は、2コア/2スレッドのCPUにRadeon HD 5600相当のGPUを内蔵したものだ。

 A4シリーズのラインアップはA8、A6、A4の3種類。Sandy Bridgeのi7、i5、i3に対抗したいのか、数字がひとつずつ大きくなっている。g6-1100に搭載されているのはA4-3300Mなので、TDPが同じ35WのCore i3-2310Mあたりが対抗製品と考えてよさそうだ。では、どちらが速いのか?

裏面カバーをあけると、HDDとメモリースロットにアクセスできる。メモリースロットは2スロットあるので、デュアルチャネルを働かせるためにも、2GBモジュールを追加したい

 結論から言ってしまうと、インターネット利用やちょっとしたビデオ鑑賞、簡単な事務的作業など、エントリーユーザーが普通の使い方をするなら、Core i3-2310Mのほうが圧倒的に有利だ。g6-1100のWindowsエクスペリエンスインデックスは総合で「4.5」だが、注目すべきプロセッサースコアは「5.3」である。一方、Core i3-2310Mのプロセッサースコアは「6.5」。この違いが如実に物語っている。

評価機はメモリーが2GBのシングルチャンネルしかないため、メモリースコアが低いのがネック

 AMDの資料によればクアッドコアのA6-3410MXでも、CPU処理に依存するベンチマークテスト(例えばPCMark Vantege)では、Core i3-2310Mより約8%劣るという。本機でPCMark Vantegeを実行すると、総合スコアは「3337」。同上の資料によればA6-3410MXで「4250」前後、Core i3-2310Mが「4600」前後なので、Core i3-2310Mより約27%も遅いことになる。

PCMark Vantage 32bitのスコア
PCMark Memories TV and Movies Gaming
3337 2354 2412 2443
Music Communications Productivity HDD
3847 3575 2365 3044

 それぞれのスコアも振るわないが、PCMark Vantageを立ち上げてからベンチマークを実行し、最初の処理(ウインドウの描画)が開始されるまで5分以上かかっていた

 これが2コア/2スレッドのA4-3300Mと、2コア/4スレッドのCore i3-2310Mとの違いだろうか。残念ながらg6-1100を使っていると、この遅さをしっかり体感できてしまう。加えてメモリーが2GBしかないこと、HDDが5400rpmと遅めであることも影響しているだろう。アプリケーションの起動、データの呼び出し、ちょっとした操作などとにかく待ち時間が長くストレスを感じるのだ。ネットブックであればともかく、価格が同じでも15型クラスのスタンダードノートとなると、不思議なことに我慢できない。

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