ハンディマメモは、同社が輸入販売しているアメリカ生まれのベストセラーステーショナリーである「BoogieBoard」とは、テクノロジーも構造も異なる国内企画の商品だ。
ハンディマメモは、日本人らしく描いた文字や絵を標準搭載されたメモリーに何枚も記録できる。BoogieBoardと同じく電源スイッチはなく、スタイラスを液晶表面にタッチさせた時点でパワーオンとなる。スタイラスによる筆記軌跡は、細字・中字・太字の3種類から選択できる。BoogieBoardにはない、消しゴムの設定が用意されているところなどは、より完璧を目指した日本企画商品の典型だ。
1ページでは少し書き足りない人のために、メモは縦スクロールし、実際は物理的に見えている画面サイズの1.5倍を使用することができる。書き込んだ個々のデータには、消去防止の設定ができたり、それらをカレンダーの任意の日付に張り込んで"ToDo"として使う、上級アプリのようなことも可能だ。
また、多くのメモを保存して使いたいユーザーや、メモをパソコンに取り込み、編集・管理したいユーザーの為にmicroSDカードのサポートも用意されている。できることを並べてみると、ハンディマメモはオン・ザ・ウェイでの素晴らしい活躍が期待できそうだが、実際にハンディマメモとBoogieBoardを同時に使ってみると、圧倒的にBoogieBoardの使いやすさと洗練されたプロダクトデザインが際立ってしまう。
ハンディマメモは、提供するテクノロジーの限度を越えた要求を、仕様として搭載しようとしているからだろう。液晶は、今回掲載した写真のようにフラッシュ撮影では綺麗に見えるが、実際には視野角を選び、薄暗いところではほとんど見えない。気持ちよく使うには、スタイラス軌跡を太字にして明るい場所での使用が大前提だ。
できる限り機能を絞り、確実性と操作性の向上を目指したBoogieBoardと、それとの棲み分けを意識し過ぎたのか、スペック上の多機能を狙ったハンディマメモとの結果の格差は大きすぎる。7980円のハンディマメモと4980円のBoogieBoardなら、筆者なら間違いなく後者を選択する。人が使う道具の企画で一番大事なことは、「できる」と「便利」の違いを明確に意識し、理解することである。真に便利な「ハンディマメモ2」に期待したい。
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今回の衝動買い
アイテム:キングジム「ハンディメモ“マメモ”「TM2」」
価格:7980円(ヨドバシカメラ上野にて購入)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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