Silencio 550
●URL:http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6704
●実売価格:1万1980円前後
静音ユーザーのための特化モデル
クーラーマスターのケースはゲーマー向けケースといったハイエアフローの冷却仕様のモデルが多いが、この「Silencio 550」は静音ユーザーに焦点を合わせたミドルタワーケースとなる。クーラーマスターらしく、静音重視でもしっかりとしたエアフロー、大型ビデオカードに対応する拡張性など、ハイエンドユーザーにも対応できるスペックになっているのが特徴だ。
フロントパネルからフィルターにすぐアクセス
フロントパネルは光沢のあるピアノブラックで開閉式の全面カバーになっており、5インチベイのアクセスにはこのカバーを開ける必要がある。フロントカバーの裏側には吸音シートが貼られ、HDDや光学ドライブなどのストレージとフロントファンの音を効果的に消音する仕組みだ。
また、フロントファンのフィルター交換時には、フロントパネル全体を外す必要はなく、このカバーを開くだけでアクセスできる。こまめにフィルター掃除をしたい人には便利な仕様だ。
標準装備のフロントファンは120mm角ファンが1基だが、追加用120mm角ファンのスペースが用意されているため、フィルターも2つ用意される。フロントファンの回転数は800rpmの低速回転タイプで風量は少なめだが、ファンを追加することでエアフローを大幅に強化可能だ。静音ケースであるが、追加ファンの性能次第で冷却寄りにも対応できることになる。
5インチベイは3基用意されるが、その中の最下段には3.5インチHDDをそのまま着脱できる「SATA X-doc」が搭載されている。マザーボードのSATAポートが対応していればホットスワップも可能だ。
3面吸音シートで騒音と振動を軽減
サイドパネルを開けるとまず目に日込んでくるのは、パネルに張られた吸音シートだ。フロントカバー裏同様にスポンジのような素材をしており、パネルの内側ほぼ全域がシートで覆われている。これは右サイドパネルも同様で、フロントと両サイドの3方向で吸音加工が施されているわけだ。PCの音を可能な限り減らしたいという人には、魅力的な仕様となるだろう。
3.5インチシャドウベイは4基+3基の2ユニット構成で、4基のユニットは取り外しが可能だ。取り外し時には装着可能な拡張カード長が281mmから400mmへと大幅に拡大し、最上位のハイエンドビデオカードにも対応可能な余裕ができる。延長線上のフロントファンを外せばさらに27mmほど余裕ができるが、現在のビデオカードを考えると400mmあればまず不足することはないだろう。
電源ユニットは下配置タイプで、電源専用の吸気口が底面に用意されている。このため、マザーボードのCPU周辺は大きくスペースが開いているのが特徴的だ。流行のマザーボード裏にケーブルを通す機構も採用されているので、スッキリとしたレイアウトを構築できる。
ただ、リアファンは800rpm静音タイプの120mm角ファン1基でファン増設もできず、排気が少々心もとない感がある。冷却力アップを検討する場合は、ファン交換で排気力の増強が必要になるだろう。
静音特化モデルであるが、クーラーマスターらしく冷却や使い勝手にも配慮されたバランスの取れたケースという印象だ。ミドルレンジクラスのスペックなら、十分な静音性と冷却性能をキープしつつ運用可能だろう。ハイエンド仕様で使うには排気力がウィークポイントになるので、この部分のパワーアップを視野に入れておきたい。
読者プレゼント
今回検証で使用したPCケース3台を、抽選で各1名様にプレゼントいたします(応募締め切り:2011年7月31日)。
なお、製品は編集部で検証および撮影で使用したものになります。新品ではありませんので、破損、傷などによる苦情、返品、交換は編集部、メーカーともに受け付けられませんのでご了承ください。
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