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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第206回

鎌倉散歩で見つけた真夏日の猫たち

2011年07月01日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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名残り惜しそうに見つめられ……

 猫と別れて再び鎌倉散歩。一度猫を見つけると欲が出ちゃうが、そもそも30度越えの夏の真っ昼間は、猫は涼しい日陰でお昼寝タイム。猫撮りに適した時間じゃあない。

 猫はあきらめ、観光客が少ない佐助稲荷、銭洗弁財天(今回は猫に出会えず)、源氏山と鎌倉西部をお散歩。自然が残っているとけっこう涼しい。

 源氏山から化粧坂(けわいざか)の切り通しへ向かおうとすると、視界の隅を黒いふわふわした物体が横切った。

 そちらを見ると、ちょっと遠くに猫がいる。人なつこいかどうかわからないので、その場でしゃがんで呼んでみると、トトトトと走ってきたではないか。

 まっすぐこちらに向かうのではなく、ちょっと距離を置くところが猫っぽい。

突然とことこと歩いてきたので、カメラを猫用セッティングにする暇もなく、えいやっ、と流し撮りしてみた(2011年6月 ニコン D7000)

突然とことこと歩いてきたので、カメラを猫用セッティングにする暇もなく、えいやっ、と流し撮りしてみた(2011年6月 ニコン D7000)

 試しに猫用のおやつを出してみると、そろそろと近づいてくる。いきなり手からあげるのは危険なので、地面に置いてやる。匂いを頼りにそれを探すが、なかなか見つけられない。

 「ほら、ここにあるよ」と指を差してみるが、猫は指なんて見てないってば。

「ここにあるからお食べ」と指を差すのだが、なかなか見つからず。もっとも猫って匂いで判断するから結構ありがち(2011年6月 ニコン D7000)

「ここにあるからお食べ」と指を差すのだが、なかなか見つからず。もっとも猫って匂いで判断するから結構ありがち(2011年6月 ニコン D7000)

 どうやらこの猫、目がよくないらしい(前ページ冒頭写真)。顔をアップで撮ると、両目ともちょっと白く濁ってるようで、視力はよくないのだろう。

 それでも匂いを頼りに見つけてぺろり。舌を出した顔と、靴下のような白い足先が可愛いのであった。

 ちなみに、こういう人通りがない場所なら、もう堂々とカバンを投げ出して這いつくばって撮っております。

あの辺りが縄張りなのだろう。ちょこんと座ってじーっとこっちを見ていたのであった(2011年6月 ニコン D7000)

あの辺りが縄張りなのだろう。ちょこんと座ってじーっとこっちを見ていたのであった(2011年6月 ニコン D7000)

 しばし猫と親しんだ後、夕刻が訪れたので辞去しようと立ち上がり歩き出す。何気なく振り返ると、その猫はじーっと座ってこっちを見ている。名残惜しそうに。

 そういう顔をされると立ち去りづらいのだが、まあしょうがあるまい。元気に生きていってくれ。いざさらば。


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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影のネタ帳 シーン別ベストショットの撮り方』(MdN)、『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫。2010年4月27日発売)。Twitterアカウントは@ogikubokei。ときどき猫動画をアップするYouTubeのアカウントもogikubokei


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