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Apple Geeks 第45回

ひと足お先にiPhoneの写真データをクラウド対応

2011年06月29日 12時00分更新

文● 海上忍

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複数の写真共有クラウドサービスを並行して使う

 数あるクラウドサービスの中でも、iOSデバイスで利用価値が高いのは「写真共有サービス」だ。「Picasa」に「flickr」、「フォト蔵」、「quanp」(クオンプ)など多数あるサービスは、容量や公開範囲など条件もそれぞれ異なるが、PCやスマートフォン、携帯電話などさまざまなデバイスで閲覧/アップロードできる点はほぼ共通している。

 しかし、クラウドサービス間で写真をやり取りしようとすると、意外に手間がかかる。サービスAからダウンロードしたものをサービスBにアップロードし直す……そんな作業は、できるだけ避けたいものだ。

「フォト蔵」、「Picasa」、「Flickr」に
同時アップロード可能な「貼る蔵 - 写真アップローダー

 ここで紹介する「貼る蔵 - 写真アップローダー」(無料)は、フォト蔵を運営するジンガジャパン(旧ウノウ)が開発するiOSアプリ。

 写真のアップロード先には、フォト蔵のほかPicasaとFlickrを選択でき、しかも一度にアップロード処理を指示できる。カメラロールに撮り貯めた写真、あるいは内蔵カメラで撮影した写真を直接送信できるので、効率よく写真をクラウド上にアップロードできる。

「フォト蔵」のほか、「Picasa」と「Flickr」へ写真をアップロードできるiOSアプリ「貼る蔵」

複数のクラウドサービスへ同時にアップロードできる

貼る蔵 - 写真アップローダー
作者 ジンガジャパン 価格無料
ファイル容量0.4MB カテゴリ写真
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 3.1以降

ファイルを開くアプリが指定可能
quanp(クオンプ)

 1GBまでは無償利用できるクラウドサービスquanpも、工夫次第で便利に使える。アップロード先は1ヵ所(quanpのみ)だが、先日公開された「quanp(クオンプ) for iPhone」(無料)の最新バージョン1.3では、ダウンロードしたファイルを開くアプリが指定可能になった。

 たとえば、クラウド上にあるPDFをiOSアプリ版quanpでダウンロードするとき、ファイルを選択して「アプリ連携」ボタンをタップすると、PDFに対応したアプリがファイルのダウンロード後にすぐ一覧される。

 このとき、「Dropbox」などのクラウドサービス用アプリを指定すれば、クラウドからクラウドへの直接転送にはならないものの(iOSのパケット転送量は増える)、quanp以外のクラウドサービスへiOSデバイス単体でファイルを送ることができる。

バージョンアップにより、「quanp」からダウンロードしたファイルを開くアプリの指定が可能になった

iPhone内蔵のカメラで撮影した写真を直接アップロードするなどの機能も備えている

quanp(クオンプ) for iPhone
作者 リコー 価格無料
ファイル容量1.6MB カテゴリ 仕事効率化
対応デバイスiPhone/iPod touch
およびiPad互換
対応OSiOS 4.0以降

TwitterやFacebookにも対応可能、
写真共有サービス同士で転送できる「Pixelpipe

 すでにクラウド上にある写真データをほかのクラウドサービスへ転送するなら、「Pixelpipe」がお勧めだ。

 残念ながら、iOSアプリ版Pixelpipeは、日本のApp Storeでは入手不能となっている(2011年6月末時点)。しかし、Macのウェブブラウザーからは変わらずサービスを利用できるので、再び日本で利用できるようになるまではMac上で作業するといいだろう。

 Pixelpipeは、PicasaやFlickrはもちろん、SnapfishやKodakといった写真プリント関連サービス、さらにはTwitterやFacebookなど、100以上ものサービスに対応している。使いたいサービスのアカウントをPixelpipeに登録しておけば、タップひとつで写真などのデータを複数のサービスへ同時にアップロードできるのだ。

 iOSアプリ版の基本的な使い方は、Pixelpipeのアカウント作成後、アプリを起動して各種サービスのアカウントを登録、その後写真などのデータをアップロードという流れになる。アカウント登録作業はアプリ右下の「Settings」ボタンから開始してもいいし、Macのウェブブラウザーからログインして作業を行なってもかまわない。

iOSアプリ版「Pixelpipe」は、「Upload」ボタンをタップするだけで複数のクラウドサービスに写真や動画をアップロードできる

 登録した各種サービスのアカウントは「パイプ」と呼ばれ、以降Pixelpipeで処理するファイルはパイプを通じてアップロードされる。その気になれば、100以上のクラウドサービスに一度でアップロードできるだけに、この種のアプリとしては現時点で最強かもしれない。

「パイプ」と呼ばれるアップロード先は、事前にアカウントなどの情報を登録しておく必要がある

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AERA×Apple Love? Apple アップルはお好きですか」(アエラムック、価格980円)

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