複数の写真共有クラウドサービスを並行して使う
数あるクラウドサービスの中でも、iOSデバイスで利用価値が高いのは「写真共有サービス」だ。「Picasa」に「flickr」、「フォト蔵」、「quanp」(クオンプ)など多数あるサービスは、容量や公開範囲など条件もそれぞれ異なるが、PCやスマートフォン、携帯電話などさまざまなデバイスで閲覧/アップロードできる点はほぼ共通している。
しかし、クラウドサービス間で写真をやり取りしようとすると、意外に手間がかかる。サービスAからダウンロードしたものをサービスBにアップロードし直す……そんな作業は、できるだけ避けたいものだ。
「フォト蔵」、「Picasa」、「Flickr」に
同時アップロード可能な「貼る蔵 - 写真アップローダー」
ここで紹介する「貼る蔵 - 写真アップローダー」(無料)は、フォト蔵を運営するジンガジャパン(旧ウノウ)が開発するiOSアプリ。
写真のアップロード先には、フォト蔵のほかPicasaとFlickrを選択でき、しかも一度にアップロード処理を指示できる。カメラロールに撮り貯めた写真、あるいは内蔵カメラで撮影した写真を直接送信できるので、効率よく写真をクラウド上にアップロードできる。
|
|||
貼る蔵 - 写真アップローダー | |||
---|---|---|---|
作者 | ジンガジャパン | 価格 | 無料 |
ファイル容量 | 0.4MB | カテゴリ | 写真 |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換 |
対応OS | iOS 3.1以降 |
ファイルを開くアプリが指定可能
quanp(クオンプ)
1GBまでは無償利用できるクラウドサービスquanpも、工夫次第で便利に使える。アップロード先は1ヵ所(quanpのみ)だが、先日公開された「quanp(クオンプ) for iPhone」(無料)の最新バージョン1.3では、ダウンロードしたファイルを開くアプリが指定可能になった。
たとえば、クラウド上にあるPDFをiOSアプリ版quanpでダウンロードするとき、ファイルを選択して「アプリ連携」ボタンをタップすると、PDFに対応したアプリがファイルのダウンロード後にすぐ一覧される。
このとき、「Dropbox」などのクラウドサービス用アプリを指定すれば、クラウドからクラウドへの直接転送にはならないものの(iOSのパケット転送量は増える)、quanp以外のクラウドサービスへiOSデバイス単体でファイルを送ることができる。
|
|||
quanp(クオンプ) for iPhone | |||
---|---|---|---|
作者 | リコー | 価格 | 無料 |
ファイル容量 | 1.6MB | カテゴリ | 仕事効率化 |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換 |
対応OS | iOS 4.0以降 |
TwitterやFacebookにも対応可能、
写真共有サービス同士で転送できる「Pixelpipe」
すでにクラウド上にある写真データをほかのクラウドサービスへ転送するなら、「Pixelpipe」がお勧めだ。
残念ながら、iOSアプリ版Pixelpipeは、日本のApp Storeでは入手不能となっている(2011年6月末時点)。しかし、Macのウェブブラウザーからは変わらずサービスを利用できるので、再び日本で利用できるようになるまではMac上で作業するといいだろう。
Pixelpipeは、PicasaやFlickrはもちろん、SnapfishやKodakといった写真プリント関連サービス、さらにはTwitterやFacebookなど、100以上ものサービスに対応している。使いたいサービスのアカウントをPixelpipeに登録しておけば、タップひとつで写真などのデータを複数のサービスへ同時にアップロードできるのだ。
iOSアプリ版の基本的な使い方は、Pixelpipeのアカウント作成後、アプリを起動して各種サービスのアカウントを登録、その後写真などのデータをアップロードという流れになる。アカウント登録作業はアプリ右下の「Settings」ボタンから開始してもいいし、Macのウェブブラウザーからログインして作業を行なってもかまわない。
登録した各種サービスのアカウントは「パイプ」と呼ばれ、以降Pixelpipeで処理するファイルはパイプを通じてアップロードされる。その気になれば、100以上のクラウドサービスに一度でアップロードできるだけに、この種のアプリとしては現時点で最強かもしれない。
最後に、少しばかり宣伝を。6月29日、週刊誌AERAによるアップル研究本「AERA×Apple Love?Apple アップルはお好きですか」(価格980円)が発売になりました! 筆者も「Apple製品が変える医療と教育」ほか数ページを担当していますので、ぜひご一読ください。
AERA×Apple Love? Apple アップルはお好きですか」(アエラムック、価格980円) |
この連載の記事
-
第187回
iPhone
NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの -
第186回
iPhone
Appleと「4K HDR」 - iOS 11で写真/動画を変える「HEIF」と「HEVC」 -
第185回
iPhone
iPhone 7搭載の「A10 Fusion」「W1」は何を変えるか -
第184回
iPhone
オープンソース化された「PowerShell」をMacで使う -
第183回
iPhone
アップル製デバイス連携の鍵、「Continuity」とは? -
第182回
iPhone
DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2) -
第181回
iPhone
WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1) -
第180回
iPhone
WWDC直前、買い替え前にマイMacのココをチェック -
第179回
iPhone
私がiTunesを使わなくなった5つの理由 -
第178回
iPhone
今あえてiPhone「Live Photos」を知る -
第177回
iPhone
「Windows Subsystem for Linux」はOS Xのライバルとなるか? - この連載の一覧へ